銀行サマサマ病 迷言集④
古山喜章です。
経営者と接していると、
過去の経験からか、「銀行に助けてもらった」という
思いを強く持っている方が結構おられます。
その経験から、まさに、“銀行サマサマ病”が抜けきれず、
銀行に対して、非常に慎重な発言をされます。
「借してくれなくなったらどうするんですか!」
銀行との交渉担当役員などによくある言葉です。
“下手にでているから貸してもらえている”、
という思い込みがとにかく強いのです。
まぁ、そのような時代を体験されてきたのでしょう。
なので、金利を下げる交渉をする、
繰り上げ返済の交渉をする、
借り換えの交渉をする、
などという、こちらの要望を交渉しようとすると、
銀行サマサマ病の担当役員は黙っていられないのです。
しかし、
何度も言うように、銀行が貸すか貸さないかは、
格付け(スコアリング)ありきです。
このような交渉をしたから貸さない、などということは、
ありえません。
支店に決裁権がない今、時代は変わっているのです。
格付けの良い企業に貸したいし、悪いところには貸したくない。
ただそれだけです。
何せ、貸す相手先がいなくて困っているのですから。
で、少しでもリスクの低い企業に貸したいのです。
この迷言を使う経営者・役員は、
「そんなこというけど、最後に矢面に立つのは自分なんだ」
という被害者意識がどこかにあります。
波風を立てたくないと思っているし、
銀行ににらまれたくないのです。
今や、銀行関連業務は、交渉ありきです。
ひとつの取引業者として、対等の関係なのです。
特別な業者でもなんでもないのです。
銀行交渉担当者がこのようなサマサマ病であるならば、
“今はそうではないんだ”
という実感を少しずつでも感じてもらう経験が必要になります。
で、そのことを逐一確認してあげるのです。
そのような経験を重ねることによって、
銀行サマサマ病から一転した担当者を、何人も見てきています。
格付け項目の経営指標が改善されているなら、
交渉事を受け入れられる可能性は高くなります。
「その他の仕入れ業者同様の扱いをしてもいい」
「特別な取引業者ではない」
ということを、理解いただくことが先決なのです。
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