B/S面積グラフから考えてみよう(48)
古山喜章です。
さまざまなオフバランス①
~土地を売却する~ その3
その2の記事で、
土地を売却した資金で、長期借入金の一部を返済した場合の、
面積グラフの変化と経営指標の変化を解説しました。
では、さらにその後はどうなるのでしょうか?
前回までの面積グラフに、さらにその後のグラフを追加しました。
このような感じです。
前回は、上図3のグラフまでを解説しました。
今回追加したのは、4と5のグラフです。
経営者の方々が気にされるのは、
「税前利益でそんなに赤字を出して、剰余金はすぐ元に戻るんですか?」
ということです。
結論、
本業が前年並みなら、数年で元に戻ります。
考えてみてください。
土地売却による特別損失が増え、税前利益が減れば、
税金としてのキャッシュアウトが減るわけです。
(ここが見落とされがち、なのです。)
なので、4のグラフでは、節税によって、現預金が増えました。
そしてその分、剰余金も増えています。
で、その後、5のグラフで、短期借入金を返済しました。
外部調達は残り、長期借入金のみです。
結果、5のグラフでは、
自己資本比率は50%、
ギヤリング比率も50%となりました。
(自己資本比率は100%に近いほどよく、
ギヤリング比率は、100%以下にしておきたいのです。)
経営指標は、3のときよりも、5のときのほうが、
良くなっているのです。
が、よくわからない方にとっては、ここで
「なんでこうなるのか、不思議ですねぇ・・・」
となります。
やはり、キャッシュフローベースで総資産を見るよう、
速く切り替えてほしいですね。
で、増えてきた現預金を、
“繰り上げ借入返済の原資とする”
“売場磨き、売りモノ磨きに特化して、資金を集中させる。”
ということなのです。
とにかく、
あっという間の2~3年で、財務状況は一変します。
そのためには、何らかのオフバランスを仕掛けることが、
自社にとっては、体質転換へのプラス要素となるのです。
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