大きさよりも強さが大切
みなさん、こんにちわ。ICOグループの内藤です。
本日、9月19日(水)にJAL(日本航空)が東京証券取引所に再上場しました。
2010年に経営破綻。その後、稲盛和夫氏を中心とした数々の再建のための活動の賜物だといえるでしょう。
この間、企業再生支援機構からの出資(3,500億円)、金融機関の債権放棄(約5,200億円)、人員・人件費の削減、企業年金制度の改定、グループ会社の縮小などを粛々と実施してきたのです。
さらに、企業理念を再度明確にするとともに、チーム別の採算制度の導入、不採算路線の廃止などをすすめてきました。
その結果、2011年に会社更生が終了しました。同社の連結での2012年3月期と比較可能な2009年3月期の損益を比べると以下の通りです。
2009年3月期 2012年3月期(単位:億円)
売上高及び営業収入 19,511 12,048
営業費用 20,020 9,998
営業利益(損失) △508 2,049
当期純利益(純損失) △631 1,866
(日本航空ホームページより)
売上高は38%減少しましたが、営業費用が半減したために2,049億円もの営業利益が計上されたのです。
また、総資産・純資産・有利子負債の比較は下記の通りです。
2009年3月期 2012年3月期(単位:億円)
総資産 17,506 10,876
純資産 1,967 4,138
有利子負債 8,087 2,084
(日本航空ホームページより)
総資産は38%減少しましたが、有利子負債の減少により純資産は倍以上になり、自己資本比率は11.2%(2009年3月期)から38.0%(2012年3月期)と26.8ポイントも向上したのです。
さらに、累損を抱えているために当面は法人税も払わなくても良く、キャッシュフローは益々増えていくでしょう。
これは、会社は大きければいいというものではないことを如実に物語っています。
売上の拡大よりも収益性が大切なのです。
総資産の大きさよりも自己資本比率が大切なのです。
大きくなくても強い会社をつくることこそが経営者の仕事なのです。
そのためには、企業の業績や財務体質にとって不要なものを捨てること、限られた経営資源を効率よく活用することが重要です。
私も企業の再生支援のコンサルティングを実施していますが、経営不安に陥る企業はムダな経営資源(ヒト・モノ・カネ)が多すぎるのです。
ムダな経営資源(ヒト・モノ・カネ)が大好きなのです。
ムダな経営資源(ヒト・モノ・カネ)を捨てることができないのです。
そして、挙句の果てに他人に迷惑を掛けるのです。
1.いる経営資源といらない経営資源に分けて、いらない経営資源を捨てる
2.残った経営資源を効率よく使う
大きさを競うのではなく、強さを競うことが大切です。 .
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