本気の交渉術 ②
古山喜章です。
経営を進めてゆくうえで、様々な交渉事があります。
しかし、交渉で負けてしまうには、ワケがあるのです。
前回の記事で、家賃交渉に負けた大家の例を紹介しました。
最初は強気で家賃を下げなかったものの、
いざ、本当に相手が移転するとなると、
“それは困る!”と、家賃を大幅に下げたのです。
結局、
そのビルの商品力を磨くことを怠っていた、
ということが、その大家にとって、敗因となったのです。
賃貸ビルは、10年、20年を経過すると、
あちらこちらに老朽化のほころびが生じます。
カベが汚れ、はがれてくる。
エレベーターなどの設備が古くなってくる。
水モレなどのトラブルが発生する。等々・・・。
その古さを補うメンテナンスを、ほとんど行ってこなかったのです。
そのため、賃貸ビルとしての商品力が弱まってしまったのです。
長年入居していたテナントが出てゆくと、
もはや、次の入居者は望めない。
それは明白だったのです。
とかく商品、売りモノ、というものは、
時間の経過とともに、古くなってゆきます。
そして、放っておけば、商品力は、落ちてゆきます。
巷にみかけるロングセラーの商品でも、
味であったり、使い勝手やパッケージであったり、
何らかのリニューアルを、毎年のように施しています。
今回の大家にとっては、ビルが、売りモノであり、商品でした。
しかし、自社の商品を磨く、ということが欠落したのです。
その結果、商品力が弱まってしまいました。
自社の商品力が弱いと、交渉事では、
相手が本気で攻めてくると、引き下がらざるを得なくなります。
みせかけ、ハッタリは通用しなくなるのです。
価格交渉であろうと、条件事の交渉であろうと、同じです。
自社の売りモノ、商品力は何か。
そのことを、しっかりと問いただし、商品力を磨くことに、
限られた経営資源を注いでいただきたいのです。
また、相手の商品力を見極めて、交渉にあたってほしいのです。
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