B/S面積グラフから考えてみよう(50)
古山喜章です。
~剰余金が多いから株価が高くなる~
“株価を評価してもらったら、すごく高くなってるんです!”
“この株価では、後継者はとても買えません!”
という、経営者の声を聞くことがあります。
で、貸借対照表を見せていただき、面積グラフを作成します。
例えば、次のようなパターンがあります。
出来上がった面積グラフを社長と共に見ながら、お聞きします。
“株価はなぜ高くなったと思いますか?”
“いやぁ・・・、さぁ~・・・・”
“このグラフのどこがどうなれば、株価が下がると思いますか?”
“う~ん・・・、あの~・・・・、その~・・・”
と、会話に行き詰まってしまうことがあるのです。
貸借対照表、つまり、バランスシートをご存じでないと、
このようなことになりがちですね。
要は、
自己資本の中の剰余金が多いから、株価が高くなっている、
ということですね。
ならば、剰余金を縮めればよいわけです。
すると、
“剰余金って、なんで増えるんですか?”
“どうやったら減るんですか?”となります。
剰余金はいわば、毎年度の純利益の積み重ねです。
そのプラス要素が長年に渡って積み重なり、膨れ上がるのです。
膨れ上がった剰余金を減らすには、
純利益で大きなマイナスを出せばよいのです。
で、大きなマイナスを出すには、
・経営者が高額退職金を受け取る
・土地・有価証券など、含み損のある資産を売却する
などの方法で、大きな特別損失を計上すればよいのです。
すると今度は、
“ウチの税理士が、
「利益というのは全部黒字でないといけない」
「どの利益でも、赤字になると銀行融資が不利になりかねない」
と言ってるんです。”
などと、騒ぎ始めることがあります。
そんなときは、
“その税理士先生は、銀行融資のことなど知らないですよ”
“他の税理士先生に替えたほうが、わが社のためですよ”
と言ってさしあげるのです。
とにかく、
株価を下げたいなら、剰余金を縮めればよいのです。
次回はその事例を、順を追って解説してゆきます。
(つづく・・・)
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