B/S面積グラフから考えてみよう(51)
古山喜章です。
~剰余金を縮めて株価を下げる~①
“株価を評価してもらったら、すごく高くなってるんです!”
“この株価では、後継者はとても買えません!”
という、経営者の声を受けて、株価を下げた事例を紹介します。
最初に見せていただいた決算書のB/Sは、次のような状態でした。
確かに、自己資本比率が70%を超えています。
資産の部では、現預金、土地、投資の大きさが目立ちます。
で、初めに気になったのは、
返済可能なだけの現預金がありながら、
長期借入金を抱えている、ということです。
聞いてみると、銀行にお願いされたとのこと。
その際に顧問税理士に聞くと、
「持っていても邪魔にならないから、
金利が低いなら借りておけばよいでしょう」
と言われたそうです。
低いとはいえ、金利が発生します。
邪魔にならないかといえば、バランスシート上、大いに邪魔です。
ないほうが自己資本比率も高まるし、良いことづくめです。
邪魔にならないというなら、税理士先生も結局は、
P/L発想でしか財務を捉えていないのだと思います。
なので、
まずは手持ちの現預金で、長期借入金を全部返済しました。
すると、面積グラフは次のようになりました。
右側は、剰余金が減ったわけでなく、
長期借入金がなくなっただけです。
そのため、自己資本比率は80%に上がりました、
総資産を縮める、いわゆるオフバランスによって、
自己資本比率は高まるのです。
次に目を付けたのは、投資の項目です。
ここからが、剰余金を縮めるオフバランスです。
(つづく・・・)
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