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2012年10月

2012年10月31日 (水)

縁故採用の悪害 ②

古山喜章です。

②組織の腫れものになってしまう

縁故採用で親戚などを安易に入社させた場合、
その事は、おおっぴらに言わなくても、早々に内部へ知れ渡ります。
苗字が同じだけでも、従業員にとっては気になるものです。

で、経営者一族の関係の人物だとわかった瞬間から、
その人物への直接的な意見や指導が減ってしまうのです。
やはり、従業員は警戒します。
結局、その人物が孤立し、組織の腫れものになってしまうのです。
周囲の従業員も、本当は、
いろいろな思いや言いたいことを抱えているのです。

縁故採用者がそのことを自覚し、謙虚な姿勢で業務に注力し、
周囲とのコミュニケーションを積極的にとれば、
そのような職場の空気も少しは改善されます。

問題なのは、その自覚がない場合の縁故採用者です。
その場合、一部の者からは、ねたみ・やっかみを買います。
なにげない動作も、
“あの人は仕事をしていない”
“お客を無視している”
“いつもボーッとしている”
などと叩かれ、陰口が出回ります。
しかし、その陰口も、本人には伝わりません。
腫れものに触れるがごとく、出回るのです。
当然、組織の風通しが悪くなりますね。

直属の上司でさえ、
“あの人にはなかなか直接的に言えないです”
ということがあるのです。
その場合、我々が当の本人を呼んで事実確認などをし、
自覚を促すことがあります。
“経営者一族というだけで、ねたみ・やっかみを買う立場ですよ”と。

それで変わる人もいれば、変わらない人もいます。
自分は特別だ、と、勘違いしている場合があるのです。

縁故採用を行う場合は、
その立場がどのようなものなのか、採用時に口うるさく、
その人物に自覚させておいてほしいのです。
そして、特別扱いをしないし許さない、ということを、
明言しておいてほしいですね。

2012年10月30日 (火)

B/S面積グラフから考えてみよう(52)

古山喜章です。

~剰余金を縮めて株価を下げる~②

前回、剰余金を減らすため、
まずは、過剰な現金で借入金を返済しました。
その結果、B/S面積グラフは次のようになりました。
Mensekirei561

しかし、これでは、借入金が減っただけで、
剰余金は縮まっていません。
剰余金の面積は変わっていませんね。

で、次に、固定資産の投資を売却しました。
これは、とある国の外国債券でした。
銀行から
“この国の経済はこれからどんどん伸びますよ”
“上がりますよ”
などとそそのかされ、購入したものです。

しかし、多くの場合がそうですが、その通りにならず、
半分くらいの価値になっていたのです。

それでも、売れば半分は現金になり、
残りの半分は評価損の特別損失を計上できるのです。
しかも、その特別損失に相当する経常利益が、
その年度末には予測できていました。

これはもう渡りに船で、即座に売却したのです。
すると、面積グラフは次のようになりました。
Mensekirei562

投資の半分は現金化され、現預金が増えました。
残りの半分は売却損となり、剰余金がその分、縮まりました。

経営者は最初、
“今売ったら損するじゃないですか!”
と言っておりましたが、
“赤字が出るからいいんじゃないですか”
ということでその意味を説得し、売却にいたりました。

その結果、総資産は縮まり、税金のキャッシュアウトは減り、
売却の現金は手元に入り、いいことづくめだったのです。
その時、その経営者こう言いました。
“あのぉ・・・実は、個人でも同じ外国債権を買ってるんですけど、
 それも売ったほうがいいですよね?”

あきれましたが、すぐに売却したのはいうまでもありません。
こうして、
特別損失のうまみを実感し、特損計上に拍車がかかったのです。
(つづく・・・)

2012年10月29日 (月)

名士と呼ばれるのも考えものです

古山喜章です。

ある企業にて、
会社更生法による更生手続きが開始されました。
私の顧問先にも、取引関係があるものの、
金額は少額で、ホッとしているところです。

取引していた各関係企業ともども、寝耳に水で、
まったく信じられない、という状況であったようです。
で、なぜ信じられないのかをお聞きすると、
「県内でも、名士中の名士としてとおっており、
 あの人が経営しているなら絶対に大丈夫だろう」
と、関係者は常日頃から口にしていたそうです。

確かに、その経営者の経歴を見ると、
〇〇協会理事、○○委員会委員長、などなど、
そうそうたる肩書きがズラリとひしめいております。
地域で名士と呼ばれるのも、無理はありません。

しかし、
名士だからといって、経営がうまくいくかどうかは、別問題です。
むしろ、
それだけ多くの肩書きがあると、本業の経営がおろそかになる、
ということは、大いに考えられます。
社長とはいえ、本人は広告塔的存在で、
経営面は次代の経営者や他の幹部に任せても大丈夫、
という状態なら、それでも良かったのでしょう。

しかも、幅広いジャンルでの肩書きが増えてくると、
段々と、断りたくても断れなくなるようです。
で、ますます肩書きが増えてゆきます。
そうなると、
自社の経営に注力するエネルギーは、どんどん奪われます。

“あの社長は立派だ”
“名士だ”
“あの人なら間違いない”
と言われても、そのこと自体が経営を支えているのではありません。
ととどのつまり、カネが回らなければ、終わりなのです。

地域や文化への貢献をするなら、あくまでも、
本業を通じておやりください、と申し上げたいですね。
個人で受けてやりたいのなら、一線を退いたうえで、
お受けするべきだと思います。

2012年10月27日 (土)

企業で起こる不正⑤

福岡雄吉郎です。

今回は、倉庫で起こった不正を紹介します。

医薬品を扱う東北地方のA社では、
取り扱うアイテム数が膨大であり、
日常業務が多忙である、などといった理由で
年に1回しか、棚卸が行われていませんでした。

日常業務では、担当者ごとにエリアが割り当てられ、
棚卸の際も、「普段のエリアを担当したほうが早いから」と、
同じ担当者が同じエリアを長期間にわたって、担当していました。

ある年の年度末の直前に、
長年倉庫担当だったBさんが、
交通事故にあって、入院してしまいました。
やむなく、別の人間がBさんのエリアを担当することになりました。

そして、棚卸のときに、
あるはずの在庫の一部が、保管されていないことが分かりました。
実はBさんが、横領して横流ししていたのです。

Bさんは、同じエリアを10年以上担当していました。
これまでの棚卸の際も、そのエリアをBさんが担当していたため、
横領は発覚しなかったのです。

今回の事例をふまえると、
倉庫での横領を防止するには、
・倉庫担当者を定期的に移動させること
・棚卸を毎月行うこと
・棚卸の際には、普段のエリアと別のエリアを担当させること
・本社の経理、総務スタッフが棚卸を手伝うこと
などが、対策として考えられます。

A社では、棚卸が年に1回しか行われていませんでした。
「棚卸は全品やる必要があるため、
年に1度か、半期に1度しかできない」と考えている会社があります。

取扱アイテム数が膨大であれば、
・エリアを区切る
・売れ筋商品から行う
など、循環させて棚卸を行えば、
現場の負担も少なく済みます。

棚卸は、
・売上原価を確定させるため
・滞留商品を把握するため
以外に、不正防止、発見の観点からも重要です。

棚卸をこまめに行うようにすると、
最初は手間も時間もかかるかもしれません。
しかし、次第にスムーズに行えるようになり、
日頃から、整理整頓のクセが身に付くようになります。

A社のような在庫管理を行っている会社は、
棚卸の方法などについて、
一度検討してみてはいかがでしょうか。

2012年10月26日 (金)

P/LとB/Sはどう繋がっているのか?

古山喜章です。

B/SやP/Lを面積グラフで表していますが、
“B/SとP/Lはどう繋がっているのだろうか?”
という素朴な疑問があります。

表す意味は異なれど、繋がりはあります。
また、繋がりのない部分もあります。
ここがクセモノなのです。

例えば、次のようなB/S面積グラフがあります。
Mensekirei55

このグラフを縦に、真ん中から左と右に分けます。
そして、その間にP/L面積グラフを入れて説明します。
すると、このようになります。
Mensekirei552

真ん中にP/L(損益計算書)があり、
その左側は、B/Sの“資産の部”、
反対の右側は、B/Sの“負債・資本の部”です。

例えば、
P/Lの売上高は、B/S資産の部のうち、
現預金、売掛金、受取手形、のいずれかに繋がってゆきます。
P/Lの原価は、B/S負債の部のうち、
買掛金へと繋がってゆきます。
つまり、それぞれ矢印のある方向へと繋がってゆきます。

“原価の大きさと買掛金の大きさが違うじゃないですか?”
という疑問があるかもしれません。
それは、P/Lの原価は一定期間の累計額で、
B/Sの買掛金は、払い終えていない残高が表されるからです。
払い終えている原材料費は、買掛金から消えてゆきます。
払い終えていない、言い換えれば、払わなきゃならない、
ということで、だから、負債になるのです。

やっかいなのは、B/Sの黄色部分です。
左側なら、棚卸、土地、投資、
右側なら、短期借入金、長期借入金、などです。

図を見てのとおり、直接的にP/Lに繋がりません。
ということは、いくらP/Lだけを眺めていても、
これらの科目には、意識が働かないのです。
まったく見えてこないのです。

なのに、これらの科目はB/S面積の内、大きな部分を占めています。
言えることは、B/S左側の黄色が増えれば、
B/S右側の黄色が増えてくる、ということです。

で、当然のことながら、黄色が増えれば総資産は増えます。
売上高に対する回転率は悪化し、
総資産に対する経常利益率(ROA)も悪化します。
自己資本比率も悪化します。
だから、オフバランスをうるさく言うのです。

極端に言ってしまえば、この黄色部分がまったくない、
というのが、望ましいわけです。
とはいえ、そうもいかない科目もあるでしょう。

もちろん、黄色以外の科目も管理・コントロールが必要です。
が、まずは、P/LとB/Sの繋がりを理解し、
この黄色部分を最低限度におさえることを考えてほしいのです。

2012年10月25日 (木)

セミナー「自社の強み・売りモノの磨き方」終了しました。

福岡雄吉郎です。

井上和弘のセミナー「自社の強み・売りモノの磨き方」が、
東京会場に続き、大阪会場でも行われました。

20121023_104008
(10月23日 東京会場セミナー風景)

厳しい経営環境がつづくなか、
自社の売りモノに関して、
どの会社も多くの悩みを抱えています。

「デフレ環境のなか、どのような方針をとればよいか?」
「売上を上げるにはどうすればよいか?」
「商品に付加価値をつけ、商品力を磨くにはどうすればよいか?」
「マーケティングはどうおこなえばよいか?」
「新しい売りモノをみつけるには何をすればよいか?」
などなど。

そんな各社の悩みを解決するため、
具体的かつ実践的な井上式の対策を、
1日かけてたっぷりと講義いたしました。

東京会場、大阪会場ともに多くの方にご参加いただき、
盛況にて終了いたしました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

2012年10月24日 (水)

B/Sはなぜ、わからないのか ③

~勘定科目がよくわからない~

古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。
“勘定科目がよくわからない”
という声も、そのひとつです。

例えば、P/Lに出てくる“売上高”です。
B/Sでは、“売上高”という科目はありません。
その売上高が、自社の資産として、他の名称に変わります。
つまり、売上高そのものは、資産ではないからです。

全て現金回収できる小売店なら、売上高は現金となります。
手形で受け取れば、受取手形です。
後日支払われる掛け売上があるなら、それは売掛金になります。
後日支払われるものでも、売掛金という名称にならない場合もあります。
例えば病院です。
健康保険負担分や、個人負担が遅れているものなどが、
未収入金として計上されます。

負債の科目も同様です。
P/Lの材料費、給料手当ならわかるのですが、
それが、買掛金や未払費用という負債名称に変わると、
途端にわかりずらくなるようなのです。

固定資産もそうですね。
P/Lで減価償却費として計上された分が、
建物や機械設備などのいずれかの償却資産から、
マイナスされてゆきます。
資産としての価値がそれだけ減った、というわけです。
その分は損金計上できるので、減価償却費となるのです。

結局、P/LとB/Sは、まったくもって別物なのです。
なのに、P/Lの発想・知識だけで理解しようとすると、
当然のことながら、“よくわからない”となりますね。
で、そこでほったらかしにするから、わからないままなのです。

B/Sは、自社の資産の内容と、
その資産がどのような資本で形成されているかを示した表です。
自社の体力・体質を表すものです。
P/Lは、
その体力・体質で、どのような業績を上げたか、を示す表です。

体力・体質なくして、業績維持はできません。
勘定科目がわからないなら、誰かに聞けばよいのです。
その程度の知識を持つ人は、経営者の周囲にもおられるはずです。
それこそ、顧問の税理士にお尋ねすればよいのです。
で、わかるまで聞き、考えることです。

B/Sがわからないことは、何も恥ずかしいことではありません。
しかし、自社の体力・体質をわからないままに放置しておくことが、
経営者としては、あってはならないことなのです。

2012年10月23日 (火)

B/S面積グラフから考えてみよう(51)

古山喜章です。

~剰余金を縮めて株価を下げる~①

“株価を評価してもらったら、すごく高くなってるんです!”
“この株価では、後継者はとても買えません!”
という、経営者の声を受けて、株価を下げた事例を紹介します。

最初に見せていただいた決算書のB/Sは、次のような状態でした。
Mensekirei53

確かに、自己資本比率が70%を超えています。
資産の部では、現預金、土地、投資の大きさが目立ちます。

で、初めに気になったのは、
返済可能なだけの現預金がありながら、
長期借入金を抱えている、ということです。

聞いてみると、銀行にお願いされたとのこと。
その際に顧問税理士に聞くと、
「持っていても邪魔にならないから、
金利が低いなら借りておけばよいでしょう」
と言われたそうです。

低いとはいえ、金利が発生します。
邪魔にならないかといえば、バランスシート上、大いに邪魔です。
ないほうが自己資本比率も高まるし、良いことづくめです。
邪魔にならないというなら、税理士先生も結局は、
P/L発想でしか財務を捉えていないのだと思います。

なので、
まずは手持ちの現預金で、長期借入金を全部返済しました。
すると、面積グラフは次のようになりました。
Mensekirei54

右側は、剰余金が減ったわけでなく、
長期借入金がなくなっただけです。
そのため、自己資本比率は80%に上がりました、
総資産を縮める、いわゆるオフバランスによって、
自己資本比率は高まるのです。

次に目を付けたのは、投資の項目です。
ここからが、剰余金を縮めるオフバランスです。
(つづく・・・)

2012年10月22日 (月)

銀行出身の経理マンにご用心

古山喜章です。

“えっ?これはどういうこと?”
という面積グラフを見かけることがあります。
例えば次のような面積グラフです。
Mensekirei52

短期借入金がやたらと多く、そのため、
流動負債が流動資産よりも大きくなっているのです。
面積グラフで見ると、右側の黄色部分が、
左側のオレンジ部分よりも大きくなっていますね。

流動資産は1年以内に現金化されるもの。
流動負債は1年以内に払うべきもの。
払うべきものが大きいと、資金繰りが苦しいに決まっています。

で、短期借入金が何に変わっているのかというと、
土地や投資などの固定資産が中心です。
短期借入で調達しても、返済できるはずがありません。
その結果、短期借入を転がして再度借り入れ、
金利だけ支払う、ということが続いてしまうのです。

“どうしてこんな借り方をしているんですか?”
と尋ねると、次のような返答が多いのです。
“銀行出身の経理担当者に任せていたのですが・・・・。”

そうです、このような事例は、銀行出身者が経理担当をしている、
という場合に多いのです。
このような借り方をしていれば、
銀行に対して本人は、いい顔ができるから、なのでしょう。

何せ銀行にとっては、融資した借入金が減らず、
金利だけ延々と払ってくれる、というのが一番ありがたいのですから。
この面積グラフだと、まさにそのパターンに陥っているわけです。
で、担保や個人保証、保証協会を使って、リスクヘッジはしているのです。

このようなパターンの場合、まずもって、返すだけの現金がありません。
取り急ぎは、長期に借り換えて短期を減らし、
流動負債が流動資産よりも小さくなるようにするのが先決です。
長期になれば、毎月の返済額が小さくなります。
少しずつでも、借入を減らしてゆく方向に変えてゆくのです。

で、土地を売るなり、投資を処分するなりして現金化する、
さらには売却損を活用して税金のキャッシュアウトを減らし、
返済原資に回す。
といったことを進めてゆかねばならないでしょう。

とにかく、経理担当者が元銀行出身者である、
という場合には、上図のような面積グラフになっていないか、
チェックしておくことが必要なのです。

2012年10月20日 (土)

企業で起こる不正④

福岡雄吉郎です。

今回は、化粧品の製造業(X社)で起こった不正を紹介します。

化粧品は、出版や医薬品と同じく、
販売店で売れ残った商品は、
返品できる業界構造になっています。
X社でも当然のように返品が発生します。

X社の九州営業所では、返品が発生した場合、
営業担当者が得意先に出向き、
直接回収することにしていました。
そして、各担当者が持ち帰った返品は、
まとめて、本社倉庫に送付し、
倉庫担当者が返品の確認を行っていました。

このX社に、あるとき、営業所から一本の電話が入りました。
そこのある営業担当者が、返品された一部を
自宅に持ち帰っている、というのです。

本社が調査したら、実に数百本の化粧品が
自宅に持ち帰られていました。
この担当者は、それを通常より安い価格で、
近所の人や知り合いに販売していました。
小遣い稼ぎのために、会社の資産を横領していた、
ということです。

通報した営業担当者以外の人間も、
薄々気づいてはいました。
しかし、不正を行った営業担当者は、
所内での売上もトップクラスの、ベテラン営業マンであったため、
なかなか口に出すことができなかったようです。

今回のような不正を防止するには、
1)得意先からの返品は、営業担当者が回収するのではなく、
全て本社倉庫に一括送付してもらうこと

営業担当者のなかには、
「この得意先は気難しく、直接対応しなければいけない」
などと言う人もいるかもしれませんが、
全社的に方針が変わった、ことなど説明し、
例外を作らないようにすることが大切です。

2)返品内容(商品名、数量等)について、
得意先がサインした書面を必ず入手して、
返品された現物と照合すること

X社では、倉庫担当者が返品確認をする際、
得意先ではなく、営業担当者が作った書類と
現物を照合していました。
営業担当者が返品数量をごまかしても、
気づくことはできなかったのです。

3)返品確認後、得意先に対して、
実際に確認した返品内容(商品名、数量等)の
連絡を行うこと

内容に誤りがあれば、得意先から連絡が入りますし、
請求段階になって、もめることも防止できます。

返品は、モノを売るという商売であれば、
どのような業種でも起こりうるものです。
「返品数量は少ないし、大した金額でもないから」
といって、営業担当者任せにしている会社は、
一度自社の返品の流れを、確認されてはいかがでしょうか。

2012年10月19日 (金)

営業マン「7つの悪習慣」 ⑦

古山喜章です。

仕事柄、さまざまな業種で、それぞれの営業マンに接します。
ただ、業種は違えど、
営業マン特有の悪習慣は、共通しています。
まさに、「7つの悪習慣」があるのです。
個々の営業マンが、それらの悪習慣に陥ることなく、
業務に取り組めば、少なくとももう少しは業績が上がるのでは?
と思う機会がよくあるのです。

⑦~何でも都合の良いように解釈する~

悪いところには目をそむけて、
何でも都合の良いように解釈して行動・報告しようとする、
という営業マンがいます。

“前月は○○の動きが見えてきているので、今月は目標達成しそうです”
“先方のA課長が△△△とおっしゃっており、上向きになると思います”
などなど・・・。
業績会議などでの席上、このような発言をよく見かけるます。
根拠があるようで、実はありません。

小さな要素を過剰に拡大解釈し、良いようにしか捉えないのです。
で結局、思ったほどの結果が得られません。
なのにそれでも懲りずに、小さなプラス要素を見出しては、
またしても拡大解釈し、楽観視してしまうのです。
これじゃあ、ただの“成り行きまかせ”です。

このような営業マンは、
いわゆる、“いけいけドンドン”タイプに多いです。
立ち止って考える、一歩引いてみる、反省する、
ということを嫌います。
深く考える、ということが苦手なのです。

バブル期や経営環境が良い時は、
それでも実際に業績がついてくるわけですから、
それで良かったのかもしれません。
しかし、簡単に結果が伴わない昨今、
楽観論だけでは、無策も同じです。
言い訳がましくなるだけです。

それに、営業活動といえども、基本はPDCAです。
Plan Do Check Action なのです。
なのに、このタイプは結局、
ひたすら Do Do Do Do となってしまいます。

営業活動は、準備がモノを言います。
その準備の背景にあるものは、
現状分析からの問題・課題であり、マイナス要素を克服する対策案です。
あるいは、プラス要素を伸ばす施策案です。
その現状認識や分析がなく、
一人よがりの思い込みだけでは、結果が伴うはずがありません。

都合の良いことだけを拡大解釈する営業マンがいるようなら、
経営幹部は厳しくその発言を追及してください。
“これではダメだ”と本人が思わない限り、
またその悪習慣が起こってきます。
他の営業マンに悪影響を及ぼさないためにも、
厳しい姿勢が必要なのです。

2012年10月18日 (木)

後継塾 第7講 テーマ「組織づくり」

福岡雄吉郎です。

後継社長塾 第7講のテーマは
「人の用い方、組織づくりとシステム化」です。

20121017_093612


業種は違えど、
「人をいかに上手く使い、強い組織を作りあげるか」
は、各社共通のテーマです。
ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源のなかでも、
最もデリケートな対応が求められるのも、この分野です。

それぞれの企業は、
・問題社員へどう対応するか
・労務コストをいかに抑えるか
・いかに人を育てていくか
・どのように段階的に組織をつくりあげるか
など、人事労務の分野で、実に多くの問題を抱えています。

こうした点について、
後継者としてどのように対応したらよいのか、を
多くの実例に基づき解説していきました。

また、上場企業の会長や、社会保険労務士の先生をお迎えし、
貴重な体験談、経験談を伺う機会もありました。

今回は、塾生からの質問が特に多く、
人事労務管理の難しさ、また、その重要性を
改めて認識することができました。

2012年10月17日 (水)

縁故採用の悪害 ①

古山喜章です。

中小企業の場合、後継者以外にも、
さまざまな親族の方が、入社されているケースがあります。
いわゆる、縁故採用ですね。
しかし、
“安易に縁故採用をして困っています。”
というケースにも、よくお目にかかるのです。
結局その多くは、
何らかの特別扱いやミスマッチが原因となっています。

①役職の地位にあるが、機能していない

縁故採用した人物を、○○課長だとか、○○室長など、
入社即役職者として待遇したものの、
全くの力不足で、その部署の長として機能しない、
という悪害ですね。

そもそも、
役職の地位に着任するには、それなりの手順があるはずです。
人事考課の結果、昇格試験、面談などです。
そのような手順をすっ飛ばして、役職の地位につけるのですから、
ミスマッチが起こっても当然です。

組織にはそれぞれの役割があります。
それを無視して特別扱いすると、
よほどの人物でない限り、何らかの悪害をもたらします。

それでなくても、同族縁故採用の特別扱いというものは、
長年勤務している者にしてみたら、面白くないことです。
口には出さずとも、“それみたことか”となり、
組織全体に悪影響をもたらします。
間違いなく、士気は下がります。

この場合少なくとも、きっぱりと力不足を本人に伝え、
役職の地位からは降ろさねばなりません。
加えて、違う部署への異動も必要となります。
なのに、
それをできずにずるずる引きずっている企業が案外多いのです。
結局、親戚づきあいのしがらみに縛られてしまうのですね。

縁故採用で同族の者が入社する場合でも、
可能な限り、まずは一般社員として採用し、
社内の手順を踏まえて役職の地位につけてほしいのです。
経営者が思う以上に、社内の目は厳しいものなのです。

2012年10月16日 (火)

P/Lも面積グラフで書いてみる ④

古山喜章です。

④~税引前利益を赤字にする~

より多くのキャッシュを残すには、
税引前利益を赤字にし、税金のキャッシュアウトを減らしなさい、
と申し上げています。
その為には、
オフバランスをするなどして、特別損失を計上すればよいのです。

特別損失や特別利益が何もなければ、
経常利益=税引き前利益となり、その約40%が法人税となります。
前回紹介したグラフがそうでしたね。
Pl
残るキャッシュは、
減価償却費+純利益 です。

しかし、この会社が仮に、含み損のある土地を売却し、
経常利益の2倍以上もの特別損失を計上したとします。
すると、次のようになります。
Pl4

特別損失が経常利益の2倍以上あるわけですから、
税引前利益は損失となり、図の文字の通り、赤字になります。
税引前利益が赤字なら、法人税は発生しません。

つまり、残るキャッシュは、
減価償却費+経常利益 ということになります。
特別損失がない場合と比べたら、
法人税がなくなる分、その分キャッシュが多く残るのです。

しかも、この赤字は翌年度にも繰り越せます。
(最大9年間繰り越し可能です)
なので、翌年度も同じだけの経常利益なら、その年度も、
法人税が不要ということになるわけです。

中小企業の資金繰りを考えるうえで、
この違いがいかに大きいかは、
経営者の方々が、一番よくご存じでしょう。

だから、
“オフバランスをしなさい!”
“含み損のある土地、有価証券は売却しなさい!”
と申し上げるのです。

とはいえ、オフバランスするにも、エネルギーが必要です。
それでも、含み損のある資産があるのなら、
手順を踏まえ、証憑書類を残し、実践してほしいのです。
それによって、
この厳しい環境を乗り越える、財務の体力がつくのですから。

2012年10月15日 (月)

B/S面積グラフから考えてみよう(50)

古山喜章です。

~剰余金が多いから株価が高くなる~

“株価を評価してもらったら、すごく高くなってるんです!”
“この株価では、後継者はとても買えません!”
という、経営者の声を聞くことがあります。

で、貸借対照表を見せていただき、面積グラフを作成します。
例えば、次のようなパターンがあります。
Mensekirei51

出来上がった面積グラフを社長と共に見ながら、お聞きします。
“株価はなぜ高くなったと思いますか?”
“いやぁ・・・、さぁ~・・・・”
“このグラフのどこがどうなれば、株価が下がると思いますか?”
“う~ん・・・、あの~・・・・、その~・・・”
と、会話に行き詰まってしまうことがあるのです。

貸借対照表、つまり、バランスシートをご存じでないと、
このようなことになりがちですね。

要は、
自己資本の中の剰余金が多いから、株価が高くなっている、
ということですね。
ならば、剰余金を縮めればよいわけです。

すると、
“剰余金って、なんで増えるんですか?”
“どうやったら減るんですか?”となります。

剰余金はいわば、毎年度の純利益の積み重ねです。
そのプラス要素が長年に渡って積み重なり、膨れ上がるのです。
膨れ上がった剰余金を減らすには、
純利益で大きなマイナスを出せばよいのです。
で、大きなマイナスを出すには、
・経営者が高額退職金を受け取る
・土地・有価証券など、含み損のある資産を売却する
などの方法で、大きな特別損失を計上すればよいのです。

すると今度は、
“ウチの税理士が、
 「利益というのは全部黒字でないといけない」
 「どの利益でも、赤字になると銀行融資が不利になりかねない」
と言ってるんです。”
などと、騒ぎ始めることがあります。

そんなときは、
“その税理士先生は、銀行融資のことなど知らないですよ”
“他の税理士先生に替えたほうが、わが社のためですよ”
と言ってさしあげるのです。

とにかく、
株価を下げたいなら、剰余金を縮めればよいのです。
次回はその事例を、順を追って解説してゆきます。
(つづく・・・)

2012年10月13日 (土)

企業で起こる不正③

福岡雄吉郎です。

今回は、地方の建設会社で起こった、
在庫に関する不正を紹介します。

その建設会社では、鉄筋や鉄骨を商社から仕入れますが、
その加工は専門の加工業者に依頼していました。

鉄筋や鉄骨を仕入れる際、万が一、不足した場合に備えて、
仕入担当者が、少し多めに発注することがありました。

で、加工業者が鉄筋や鉄骨を加工すると、
その念のために発注した分が、余ります。
余った分は、現場所長の判断のもと、
鉄くずとして金属会社等に売却していました。
その際、売却代金は、本来、会社の収入(原価戻し)として、
経理処理されなければなりません。

しかし、その会社では、実際に経理処理は行われませんでした。
現場所長が、鉄くずの売却代金を、下請業者等との
飲食費に使ってしまったのです。
つまり、本来は会社の在庫として認識すべき
鉄くずを、勝手に換金して、帳簿外で使ってしまったのです。
経理部門はその分を、そのまま原価として計上しています。

建設会社にとっては、かき集めた下請業者を束ねて、
いかに、円滑に作業を進められるかが重要です。
「下請業者に円滑に作業を進めてもらうためには、
親睦を図ることも大切であって、その為のお金が必要だった。」
という勝手な理由で、上記の不正(鉄くずの横領)が行われたのです。

このような不正が発生しないようにするためには、
(1)現場長に対する利益率責任を明確にすること
(着工時の予想利益率と完成時の利益率の比較など)

(2)利益率を工事ごとに、月次で把握し、
前月実績や他工事との比較を行うこと
(材料費、労務費、経費別に行う)

(3)作業くずの売却先は、会社が指定し、
売却代金は現金ではなく、会社の指定口座に振り込ませること

(4)製造の過程で生まれる「作業くず」は、
当然に「会社の資産」であることを、現場に徹底的に認識させること

(5)作業くずや資材の余りがないかについて、
実際に製造現場を定期的にまわって、観察すること
などが対策として考えられます。

今回の場合、鉄くずの売却代金を経理処理していれば、
現場の利益率は改善されていました。

現場長に対する利益責任を厳しく行っていれば、
当然、利益率を改善しようとする意識が高まります。
結果として、今回のような不正を防止できる確率が高まります。

原材料や資材はお金が姿を変えたもの、という認識を持ち、
現場で横領されていないか、という観点から、
チェックできる仕組みを整備し、運用することが重要です。

2012年10月12日 (金)

B/Sはなぜ、わからないのか ②

~全体の構造がよくわからない~

古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。

“B/Sの左側と右側で、何が違うんですか?”
と聞かれることがあります。
そうです、まずもって、左と右に別れていることが、
何を意味するのかがわからないのです。
知っていればどうってことありませんが、
習ったことがなければ、そういうものですね。

大きく言えば、
左側は、会社が保有する資産であり、
右側は、その資産を保有した際の資金調達手段です。
Bs_naze1

会社には、さまざまな資産があります。
現金、売掛金、在庫、建物、土地、有価証券などなど・・・。
右側で調達した現金が、事業を進めてゆくうえで、
いろいろなものに変わるわけです。
なので、まだ何にも変わっていないものが、
現金として、表されます。

左側が資産目録、右側が調達手段、というわけです。
これが、左と右の、意味するところです。

そしてその左と右は、それぞれ上半身と下半身に別れます。
Bs_naze2

資産は流動資産と固定資産に、
調達は他人資本(負債)と自己資本に、分かれます。

資産の内、流動資産は、
“1年以内に現金化されるもの”を意味します。
一方、固定資産は、
すぐには現金化しづらいものであり、
長期にわたって活用する資産を表します。

そして右側の調達です。
上半身が他人資本(負債)、つまり、他人からの調達手段であり、
返さなければならないものを表します。
一方、右側の下半身は、自己資本です。
自ら調達したカネと、儲けが蓄積されたカネを表します。

おさらいすると、

B/Sは、左側と右側に別れる。
→資産と調達を意味する。

で、それぞれが、上半身と下半身に別れる。
→資産は、1年以内に現金化されるものか、長期活用のものか。
→調達は、他人からの借り物の資金か、自前の資金か。

ということになりますね。

これがわからずにB/Sを見てしまうと、
なんのことだかさっぱりわかりません。
理解できる勘定科目の数字だけが、単にわかるだけです。
まずは、左右や上下に別れているところの、
意味をご理解いただきたいのです。

で、左右はそもそもバランスしていますが、
上下のバランスはバラバラです。
ここからが大事なところなのです。
(つづく・・・)

2012年10月11日 (木)

営業マン「7つの悪習慣」 ⑥

古山喜章です。

仕事柄、さまざまな業種で、それぞれの営業マンに接します。
ただ、業種は違えど、
営業マン特有の悪習慣は、共通しています。
まさに、「7つの悪習慣」があるのです。
個々の営業マンが、それらの悪習慣に陥ることなく、
業務に取り組めば、少なくとももう少しは業績が上がるのでは?
と思う機会がよくあるのです。

⑥~経験とカンと度胸がすべて!~

いわゆる、
“やります!”“がんばります!”の精神力タイプに、
このような傾向を強く感じます。
“当たって砕けろ!”の精神もわかりますが、
“当たって砕けて、それで終わり”では困るのです。

結局このタイプの営業マンは、
“勉強ぎらい”“分析ぎらい”“努力ぎらい”
の方が多いようです。

経験とカンと度胸も必要ですが、
今の時代、それだけで結果が出せるほど、
甘い時代ではありません。

経験やカンは、所詮は過去のものですから、
それだけを営業の武器にするということは、
使い古された武器しか手元にない、ということと同じです。

情報収集や分析・学習努力によって、
経営環境の変化を常に読み取る、
ライバルの動向を探る、
顧客のニーズをとらえる、
商品知識・業界知識を深める、などなど、
営業マンがすべきことはいくらでもあります。

買う側にしても、
気合だけの営業マンから買うよりも、
今の情報や知識・話題が豊富で、
“あの人と取引をすれば自分が得をする”
と思える営業マンから買いたいのです。

特に、年数を重ねた営業マンに、このタイプは増えてきます。
勉強や努力が億劫になり、その言い訳のごとく、
精神力だけを盾にし始めるのです。
結局は、しんどいことが、面倒なだけなのです。
そして、一人いると、徐々にこのタイプは増えてゆきます。
まわりに悪影響を及ぼすのです。

なので、このようなタイプが社内にいるなら、
放置しないようにしてほしいのです。
課題を与えるなり、調査をさせるなりして、
“経験とカンと度胸”に、
あぐらをかかないようにさせてほしいのです。

2012年10月10日 (水)

P/Lも面積グラフで書いてみる ③

古山喜章です。

③~借入返済原資はどこにあるのか~

P/Lをグラフにすると、いろいろな費用が見えてきます。
しかしその中に、「銀行借入返済」という科目はありません。
とはいえ、、
銀行借入をし、土地や建物など、何かを購入したのなら、
当然のことながら、返済しなければなりません。
なのに、その返済原資の出所が、案外理解されていないのです。

借入返済の原資となり得るのは、
次のグラフ中の、赤線枠で囲んでいる部分です。
Pl

つまり、
減価償却費 + 純利益 ということですね。
グラフで見ると、ほんのわずかしかありません。
このなかから、返済原資をねん出しなければならないのです。
銀行借入があるだけで、
資金繰りを圧迫するのが、おわかりいただけると思います。

ところがそう言うと、
“純利益と減価償却を足したほど、現金がないんですけど?”
とおっしゃられる経営者に出会うことがあります。
そうです、ここが勘違いしやすいところなのです。

P/Lで言う、「減価償却費+純利益」は、
いわば、ある一定期間内に生み出されるはずの、
理論上のキャッシュです。
年度末にそれだけの現金がある、というわけではないのです。

例えば、
“売上金の一部が未回収になっている”
“実際に入金されるのは、数か月先になっている”
“在庫が多く、その支払いで現金がかなり減っている”
“その期間中に、新たな設備を買ってしまった”
といった場合、「減価償却+純利益」に該当するほど、
現金は残りませんし、ありません。

だから、
“未収金は早く回収しなさい!”
“回収サイトを縮めなさい!”
“在庫を減らしなさい!”
と、うるさく言うのです。

しかし、より多くのキャッシュを残す方法は、あるのです。
それが、オフバランスなどによって、
“税引き前利益をマイナス(=赤字)にしなさい!”という考え方です。
詳しい図解は、次回に紹介します。

2012年10月 9日 (火)

B/Sはなぜ、わからないのか ①

~はじめてのB/S~

古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。

私自身も、そうでしたね。
社会人1年目の時、配属先が経理でした。
経理など、やったこともありません。
たまたま、そうなっただけのことです。

で、入社早々、初めて、P/LとB/Sに接したわけです。
P/Lはすぐに理解できました。
どこがどうなればもっと良くなるか、ということはともかく、
その仕組みはわりと早くに飲み込めました。

まあ言ってみれば、売上があって、
そこからいろいろなコストが引かれていくだけのことです。
残ったものが、「○○利益」という形で表されます。
前後のつながりもよくわります。

勘定科目の名前も、
“売上高”“材料費”“消耗品費”など、その文字だけで、
中身がどのようなものなのか、見当のつくものが多いです。
ただ、“法定福利費”“減価償却費”“租税公課”などは、
最初はなんのことだかよくわかりませんでした。
それでも、P/L全体の、概ねの仕組みは理解できたのです。

そして、問題のB/S(貸借対照表)です。
最初に経理課長から教えてもらったことは、今でも覚えています。
“左側と右側に分かれていて、一番下の合計が同じになるんや”
“P/Lは一定期間の累計を表すけど、B/Sは、ある日の状態を表すんや”
ということでした。

他にも色々教えてもらったのですが、
最初に理解したのは、そのことくらいです。
とはいえ、
左側と右側の中身の意味もわからなければ、
ある日の状態が何を意味するのかさえも、よくわかりません。
ただ、そういうものだ、ということを理解したに過ぎなかったのです。

引き算で結果に到達するP/Lに比べて、
B/Sには、そのような明確な計算式がありません。
どこかが大きければ良い、というものでもありません。
加えて、勘定科目をながめてみても、
それだけでは中身の想像がつかないものばかりです。

とにかく、
仕組みがよくわからない、
良い悪いの判断がつかない、
どこから見たらいいかわからない、
勘定科目の意味がわからない、
などで、新入社員の私は困ってしまったのです。

B/Sがよくわからない、という声を良く聞きますが、
その原点は皆、同じようなものではないでしょうか?
改めて、B/Sはなぜわからないのか、について、
考えてみたいと思います。
(つづく・・・)

2012年10月 6日 (土)

企業で起こる不正② その2

福岡雄吉郎です。
前回の続きとして、収入印紙、ハガキなどの横領に
対する防止策を紹介します。

収入印紙、ハガキ、切手、回数券などは、
会計上、「貯蔵品」という科目で処理します。
この処理の方法は2通りあります。
1)購入時に、資産として計上し、
使った都度、損金(租税公課、通信費など)として処理する方法
2)購入時は損金として計上し、 
  決算のときに、実際に残っている金額を資産に計上する方法
  (費用を戻すことになります)

不正防止に効果的なのは、
会計上は「1」の方法を採用し、
期中は受払台帳を使って管理することです。
そして、定期的にBSの貯蔵品残高と、
現物が一致しているか確認することです。

反対によくないのは、
会計上は「2」の方法を採用し、
期中も受払台帳を使わないことです。
前回ご紹介した企業は、このケースです。

「2」の方法を採用している場合は、
受払台帳を作って、定期的に現物と台帳上の枚数を
チェックすることです。

しかし、貯蔵品のようなものを、
細かく管理するのは、
非効率だとお考えの方が多いです。

貯蔵品自体は、大した金額でないのに、
上記のように管理しようとすると、
手間もかかるしコストもかかります。

手間もコストも省くためには、
収入印紙や切手などを、
郵便局に配達してもらうことです。

自分で買いにいく場合は、
いちいち出掛けるのが面倒です。
「使うかわからないけれど、念のため買っておこう」
と考えて、どうしてもまとめ買いします。

そうなると、余分な収入印紙や切手を、
会社に置いておくことになります。
これが、管理の手間、あるいは不正に
つながっていきます。

しかし、必要なときに必要な分だけ
配達してもらえば、余分な貯蔵品はなくなります。
管理する手間もかからず、不正も発生しようがないです。

また、支払はその都度行わず、
月末で一括払いする方法を選択すれば、
支払事務の負担やコストを削減できます。


貯蔵品について、
1)持たないような仕組みになっているか?
2)もし持っている場合は、
帳簿と現物を定期的にチェックしているか?
3)必要以上に多く持っていないか?
などの観点から、一度チェックされてはいかがでしょうか。

貯蔵品も在庫の一種と考えて、
減らしていくことが大切です。

2012年10月 5日 (金)

決済用預金に切り替えました

古山喜章です。

ある経営者から、
“個人の預金を決済用普通預金に切り替えました”
とお聞きしました。
私も勉強不足なところがあったので、
“決済用普通預金って、どんな預金なんですか?”
とお尋ねし、教えていただきました。

個人・法人が対象で、
①ペイオフの対象外となる
②ただし、利息はつかない
というものです。
いわば、
①がメリットで、②がデメリット、というわけです。
2004年から導入された制度だそうです。
預金額は、いくらからでも可能です。

ペイオフの対象外となりますから、
銀行破たん時でも、1000万円を超える、
預金の全額が補償されます。
それにいまどき、所詮はあるかないかの利息です。
ならば、
危機回避のために、ペイオフの対象外としておきたい、
そう思われる方も多いのでしょう。

しかし、
銀行が突然破たんするなどということが、
今の日本であり得るのでしょうか?
危険水域に到達した金融機関は公表される時代です。
危険がわかれば回避すればよいだけの話しです。
どこかの誰かが言うような、
銀行が一斉に破たんするようなことは、考えられないのです。

それに、みずほ、住友、UFJのメガバンクは、
金融庁がまずもってつぶさせません。
金利にしても、わずかですが、ゼロではないのです。

ならば、決済性預金にするよりは、
少しでも金利をもらえるものに留めておいたら良い、
と、思うわけです。

2012年10月 4日 (木)

P/Lも面積グラフで書いてみる ②

古山喜章です。

②~労働分配率を考える~

前回、P/Lも面積グラフで考えてみる、
ということを紹介しました。
今回はその図から、労働分配率について考えてみます。

労働分配率は、売上総利益に占める、労務費の割合です。
計算式で言うと、
労務費 ÷ 売上総利益 × 100 となります。
メーカーや卸・小売・飲食業なら、
33%以下に押さえてほしい経営指標です。
数値が高まるほど、儲からない収益体質になってゆきます。

労務費の内訳は、
役員報酬、給料手当、雑給、賞与、法定福利、福利厚生費、
となります。

で、次のグラフをご覧ください。
Pl2_2

労務費は、“販売費及び一般管理費”に中に含まれます。
その中にはいろいろなコストがあります。
が、なかでも労務費は、もっとも大きなコストです。

売上総利益に対し、どれだけの労務費で収まっているのか、
それがつまり、
“労働分配率は何%なのか?”
ということなのです。

上のグラフの場合、労働分配率は、33%です。
この現状の売上高、売上総利益のまま、
昇給や、人員増によって人件費が増えると、
途端に労働分配率は高まり、悪化します。
つまり、営業利益以下の利益を圧迫してゆくのです。

一方、この状態から、
“IT化によって人員を減らした”
“パート化によって人件費を縮めた”
“商品力を高めて売上総利益を増やした”
となると、労働分配率は下がり、営業利益は増えます。

営業利益は本業の利益であり、
キャッシュフローの源泉となるものです。
ここが少額だったり、マイナスでは、
節税などをしても効果はいくらもありません。

多くの業種において、最大の経費である労務費を、
労働分配率の目線で考えてみてください。
労務コストへの課題が見えてくるかもしれませんよ。

2012年10月 3日 (水)

営業マン 「7つの悪習慣」⑤

古山喜章です。

仕事柄、さまざまな業種で、それぞれの営業マンに接します。
ただ、業種は違えど、
営業マン特有の悪習慣は、共通しています。
まさに、「7つの悪習慣」があるのです。
個々の営業マンが、それらの悪習慣に陥ることなく、
業務に取り組めば、少なくとももう少しは業績が上がるのでは?
と思う機会がよくあるのです。

⑤~夜になると元気になる~

営業活動を終えて事務所に戻り、
日が暮れたころになると、やたら元気になる、
という営業マンを見かけます。

といっても、仕事に熱心に取り組むならいいのですが、
やたら“ペチャクチャ”としゃべってばかり、で困るのです。
結局、ダラダラ居るだけで、仕事の効率が悪いだけです。

外回りの業務で達成感を得ているのか、
やらなきゃいけない課題や翌日の準備・確認はほったらかして、
事務所内の人に話しかけては、相手の手までも止めさせてしまう。
これが数人集まると、まさに、“害人部隊”です。

そのような人物が年長者だと、
若手人材は気を使ってムダ話につきあい、内心では、
“はやく解放されて仕事に戻りたい”と思ってしまいます。
“あんな風にはなりたくない”と思われるわけですから、
仕事における信頼関係も生まれません。

で、さらに良くないのは、夜型営業マンには、
朝がサッパリおとなしい、という人が多いことです。
朝はまだ、頭の中が活発に動いていないのです。
そのような状態で、得意先などを回るわけですから、
印象が良いはずもないし、
厳しい交渉にたちうちできるわけもありません。

結局、生産性が悪くなるのです。
そのような人物を許す職場風土を変えなければ、
この悪習慣はなくなりません。

事務所のカギは夜〇時には締める。
消灯時間を設ける。
現行犯を見つけたらイエローカード(警告書)を発行する。
その実態を評価に反映させる。
などなど・・・。

厳しさのない職場風土から、強い企業体質は生まれません。
ぬるま湯は、怠け者の居心地をよくするだけです。
弊害をもたらす夜型営業マンがいないかどうか、
若手社員にでも聞いてみてください。

2012年10月 2日 (火)

P/Lも面積グラフで書いてみる

古山喜章です。

従業員教育をさせていただく際、
“わが社の儲けはどれくらいあると思いますか?”
という質問をすることがあります。

入社10年以内の社員の場合、
まあ大体“?????”となります。
で、“じゃあ、年商はどのくらいでしょうか?”と尋ねます。
それでも半分以上の方が、“??????”となります。

目の前の業務には専念するものの、
会社全体の数字となると、知らない従業員がほとんどですね。
なので、よく、面積図を描いて説明します。
とりわけ、このような面積図です。
Pl

一番左側が売上高、つまり、年商です。
売上高が、その右隣のグラフへ、原価と売上総利益に分かれます。
そして、売上総利益が、販管費と営業利益に分かれます。
さらに、経常利益、税前利益、純利益、と続きます。
まずは、売上をベースとした、収益の構造を理解してもらいます。

この面積図では、原価が30%、売上総利益が70%、
経常利益は10%、です。
それぞれの企業の大枠の実態に合わせて、説明します。

すると、
税前利益や純利益はともかく、経常利益がどれくらいか、
知らない従業員がほとんどです。
この面積図で説明すると、ほとんどの従業員から、
“利益って、出ないものなんですね”
“もっと儲かっていると思っていました”
という意見が出てきます。

P/Lは、いわば自社の収益体質です。
その収益体質を知らない人たちに、“コスト削減せよ!”
と声を上げても、なかなか響きません。

自社の収益体質をわかったうえで、
“もっと売上総利益を増やすにはどうすればよいか”
“もっと営業利益を増やすにはどうすればよいか”
“利益を減らさずにもっと給料を増やすにはどうすればよいか”
などを考えさせるのです。
そうして初めて、“コスト削減!”の重要性がわかるのです。

経営者や幹部人材には、
B/S面積グラフで財務体質を理解していただき、
中堅クラスまでの従業員には、
P/Lの面積図を理解してもらいたいのです。
一度、従業員に、上記のような面積図を使って、
自社の収益体質を確認してみてください。

2012年10月 1日 (月)

B/S面積グラフから考えてみよう(49)

古山喜章です。

さまざまなオフバランス①
~土地を売却する~ その4

その3の記事で、
土地売却後の、経営指標や剰余金の変化を解説しました。
今回は、そもそもなぜ、土地を買ってしまうのか?
ということに触れてみます。

今回の事例でいうと、土地を買う前の面積グラフはどうだったのか?
土地購入に際し、手持ちの現預金を30%運用し、
残りの70%を長期借入金で調達した、とするなら、
このような状況だったわけです。
下記、左側の面積グラフが、土地を買う前の状態です。

Mensekirei50

購入前の自己資本比率は50%、
自己資本に対する借入比率を示すギヤリング比率は80%、
と、決して、悪くはありません。
さあ、問題はここからです。

B/S中心の経営者は、この状態で土地を買う、
という発想はありません。
“これだけ現預金があるなら、借入金を減らそう”
“土地は借りればいいだろう”
となります。

ところが、P/L発想の経営者は、
“現状の利益が出ているなら、借りるのも、買うのも変わらない”
“いっそのこと、買ってしまおう”
となります。

“現状の利益”がどうか、ということが判断基準であり、
“現状のB/S”がどうか、という基準、発想がないのです。
そこが落とし穴となり、土地を購入してしまうわけです。

しかし、土地は減価償却ができませんから、
純利益からしか、返済資金を生み出すことができません。
さらに、借入が増えるわけですから、
金利が増え、経常利益を下げる要因となります。

つまり、土地を買うことによって、
キャッシュフローが、たちまち悪化してしまうのです。
楽だった資金繰りが、一気に、厳しくなります。

新たな土地が必要な場合、
借りる方法と、買う方法、があります。
買う方法をとろうとする場合、キャッシュフローのことを、
十分に検討していただきたいのです。
で、買わずにすむなら、買わないでほしいのです。

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