B/Sはなぜ、わからないのか ②
~全体の構造がよくわからない~
古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。
“B/Sの左側と右側で、何が違うんですか?”
と聞かれることがあります。
そうです、まずもって、左と右に別れていることが、
何を意味するのかがわからないのです。
知っていればどうってことありませんが、
習ったことがなければ、そういうものですね。
大きく言えば、
左側は、会社が保有する資産であり、
右側は、その資産を保有した際の資金調達手段です。
会社には、さまざまな資産があります。
現金、売掛金、在庫、建物、土地、有価証券などなど・・・。
右側で調達した現金が、事業を進めてゆくうえで、
いろいろなものに変わるわけです。
なので、まだ何にも変わっていないものが、
現金として、表されます。
左側が資産目録、右側が調達手段、というわけです。
これが、左と右の、意味するところです。
資産は流動資産と固定資産に、
調達は他人資本(負債)と自己資本に、分かれます。
資産の内、流動資産は、
“1年以内に現金化されるもの”を意味します。
一方、固定資産は、
すぐには現金化しづらいものであり、
長期にわたって活用する資産を表します。
そして右側の調達です。
上半身が他人資本(負債)、つまり、他人からの調達手段であり、
返さなければならないものを表します。
一方、右側の下半身は、自己資本です。
自ら調達したカネと、儲けが蓄積されたカネを表します。
おさらいすると、
B/Sは、左側と右側に別れる。
→資産と調達を意味する。
で、それぞれが、上半身と下半身に別れる。
→資産は、1年以内に現金化されるものか、長期活用のものか。
→調達は、他人からの借り物の資金か、自前の資金か。
ということになりますね。
これがわからずにB/Sを見てしまうと、
なんのことだかさっぱりわかりません。
理解できる勘定科目の数字だけが、単にわかるだけです。
まずは、左右や上下に別れているところの、
意味をご理解いただきたいのです。
で、左右はそもそもバランスしていますが、
上下のバランスはバラバラです。
ここからが大事なところなのです。
(つづく・・・)
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