B/Sはなぜ、わからないのか ③
~勘定科目がよくわからない~
古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。
“勘定科目がよくわからない”
という声も、そのひとつです。
例えば、P/Lに出てくる“売上高”です。
B/Sでは、“売上高”という科目はありません。
その売上高が、自社の資産として、他の名称に変わります。
つまり、売上高そのものは、資産ではないからです。
全て現金回収できる小売店なら、売上高は現金となります。
手形で受け取れば、受取手形です。
後日支払われる掛け売上があるなら、それは売掛金になります。
後日支払われるものでも、売掛金という名称にならない場合もあります。
例えば病院です。
健康保険負担分や、個人負担が遅れているものなどが、
未収入金として計上されます。
負債の科目も同様です。
P/Lの材料費、給料手当ならわかるのですが、
それが、買掛金や未払費用という負債名称に変わると、
途端にわかりずらくなるようなのです。
固定資産もそうですね。
P/Lで減価償却費として計上された分が、
建物や機械設備などのいずれかの償却資産から、
マイナスされてゆきます。
資産としての価値がそれだけ減った、というわけです。
その分は損金計上できるので、減価償却費となるのです。
結局、P/LとB/Sは、まったくもって別物なのです。
なのに、P/Lの発想・知識だけで理解しようとすると、
当然のことながら、“よくわからない”となりますね。
で、そこでほったらかしにするから、わからないままなのです。
B/Sは、自社の資産の内容と、
その資産がどのような資本で形成されているかを示した表です。
自社の体力・体質を表すものです。
P/Lは、
その体力・体質で、どのような業績を上げたか、を示す表です。
体力・体質なくして、業績維持はできません。
勘定科目がわからないなら、誰かに聞けばよいのです。
その程度の知識を持つ人は、経営者の周囲にもおられるはずです。
それこそ、顧問の税理士にお尋ねすればよいのです。
で、わかるまで聞き、考えることです。
B/Sがわからないことは、何も恥ずかしいことではありません。
しかし、自社の体力・体質をわからないままに放置しておくことが、
経営者としては、あってはならないことなのです。
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