P/Lも面積グラフで書いてみる ③
古山喜章です。
③~借入返済原資はどこにあるのか~
P/Lをグラフにすると、いろいろな費用が見えてきます。
しかしその中に、「銀行借入返済」という科目はありません。
とはいえ、、
銀行借入をし、土地や建物など、何かを購入したのなら、
当然のことながら、返済しなければなりません。
なのに、その返済原資の出所が、案外理解されていないのです。
借入返済の原資となり得るのは、
次のグラフ中の、赤線枠で囲んでいる部分です。
つまり、
減価償却費 + 純利益 ということですね。
グラフで見ると、ほんのわずかしかありません。
このなかから、返済原資をねん出しなければならないのです。
銀行借入があるだけで、
資金繰りを圧迫するのが、おわかりいただけると思います。
ところがそう言うと、
“純利益と減価償却を足したほど、現金がないんですけど?”
とおっしゃられる経営者に出会うことがあります。
そうです、ここが勘違いしやすいところなのです。
P/Lで言う、「減価償却費+純利益」は、
いわば、ある一定期間内に生み出されるはずの、
理論上のキャッシュです。
年度末にそれだけの現金がある、というわけではないのです。
例えば、
“売上金の一部が未回収になっている”
“実際に入金されるのは、数か月先になっている”
“在庫が多く、その支払いで現金がかなり減っている”
“その期間中に、新たな設備を買ってしまった”
といった場合、「減価償却+純利益」に該当するほど、
現金は残りませんし、ありません。
だから、
“未収金は早く回収しなさい!”
“回収サイトを縮めなさい!”
“在庫を減らしなさい!”
と、うるさく言うのです。
しかし、より多くのキャッシュを残す方法は、あるのです。
それが、オフバランスなどによって、
“税引き前利益をマイナス(=赤字)にしなさい!”という考え方です。
詳しい図解は、次回に紹介します。
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