縁故採用の悪害 ①
古山喜章です。
中小企業の場合、後継者以外にも、
さまざまな親族の方が、入社されているケースがあります。
いわゆる、縁故採用ですね。
しかし、
“安易に縁故採用をして困っています。”
というケースにも、よくお目にかかるのです。
結局その多くは、
何らかの特別扱いやミスマッチが原因となっています。
①役職の地位にあるが、機能していない
縁故採用した人物を、○○課長だとか、○○室長など、
入社即役職者として待遇したものの、
全くの力不足で、その部署の長として機能しない、
という悪害ですね。
そもそも、
役職の地位に着任するには、それなりの手順があるはずです。
人事考課の結果、昇格試験、面談などです。
そのような手順をすっ飛ばして、役職の地位につけるのですから、
ミスマッチが起こっても当然です。
組織にはそれぞれの役割があります。
それを無視して特別扱いすると、
よほどの人物でない限り、何らかの悪害をもたらします。
それでなくても、同族縁故採用の特別扱いというものは、
長年勤務している者にしてみたら、面白くないことです。
口には出さずとも、“それみたことか”となり、
組織全体に悪影響をもたらします。
間違いなく、士気は下がります。
この場合少なくとも、きっぱりと力不足を本人に伝え、
役職の地位からは降ろさねばなりません。
加えて、違う部署への異動も必要となります。
なのに、
それをできずにずるずる引きずっている企業が案外多いのです。
結局、親戚づきあいのしがらみに縛られてしまうのですね。
縁故採用で同族の者が入社する場合でも、
可能な限り、まずは一般社員として採用し、
社内の手順を踏まえて役職の地位につけてほしいのです。
経営者が思う以上に、社内の目は厳しいものなのです。
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