P/LとB/Sはどう繋がっているのか?
古山喜章です。
B/SやP/Lを面積グラフで表していますが、
“B/SとP/Lはどう繋がっているのだろうか?”
という素朴な疑問があります。
表す意味は異なれど、繋がりはあります。
また、繋がりのない部分もあります。
ここがクセモノなのです。
このグラフを縦に、真ん中から左と右に分けます。
そして、その間にP/L面積グラフを入れて説明します。
すると、このようになります。
真ん中にP/L(損益計算書)があり、
その左側は、B/Sの“資産の部”、
反対の右側は、B/Sの“負債・資本の部”です。
例えば、
P/Lの売上高は、B/S資産の部のうち、
現預金、売掛金、受取手形、のいずれかに繋がってゆきます。
P/Lの原価は、B/S負債の部のうち、
買掛金へと繋がってゆきます。
つまり、それぞれ矢印のある方向へと繋がってゆきます。
“原価の大きさと買掛金の大きさが違うじゃないですか?”
という疑問があるかもしれません。
それは、P/Lの原価は一定期間の累計額で、
B/Sの買掛金は、払い終えていない残高が表されるからです。
払い終えている原材料費は、買掛金から消えてゆきます。
払い終えていない、言い換えれば、払わなきゃならない、
ということで、だから、負債になるのです。
やっかいなのは、B/Sの黄色部分です。
左側なら、棚卸、土地、投資、
右側なら、短期借入金、長期借入金、などです。
図を見てのとおり、直接的にP/Lに繋がりません。
ということは、いくらP/Lだけを眺めていても、
これらの科目には、意識が働かないのです。
まったく見えてこないのです。
なのに、これらの科目はB/S面積の内、大きな部分を占めています。
言えることは、B/S左側の黄色が増えれば、
B/S右側の黄色が増えてくる、ということです。
で、当然のことながら、黄色が増えれば総資産は増えます。
売上高に対する回転率は悪化し、
総資産に対する経常利益率(ROA)も悪化します。
自己資本比率も悪化します。
だから、オフバランスをうるさく言うのです。
極端に言ってしまえば、この黄色部分がまったくない、
というのが、望ましいわけです。
とはいえ、そうもいかない科目もあるでしょう。
もちろん、黄色以外の科目も管理・コントロールが必要です。
が、まずは、P/LとB/Sの繋がりを理解し、
この黄色部分を最低限度におさえることを考えてほしいのです。
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