B/Sはなぜ、わからないのか ①
~はじめてのB/S~
古山喜章です。
“P/Lはわかるけど、B/Sがよくわからない”
という経営者の声をよくお聞きします。
私自身も、そうでしたね。
社会人1年目の時、配属先が経理でした。
経理など、やったこともありません。
たまたま、そうなっただけのことです。
で、入社早々、初めて、P/LとB/Sに接したわけです。
P/Lはすぐに理解できました。
どこがどうなればもっと良くなるか、ということはともかく、
その仕組みはわりと早くに飲み込めました。
まあ言ってみれば、売上があって、
そこからいろいろなコストが引かれていくだけのことです。
残ったものが、「○○利益」という形で表されます。
前後のつながりもよくわります。
勘定科目の名前も、
“売上高”“材料費”“消耗品費”など、その文字だけで、
中身がどのようなものなのか、見当のつくものが多いです。
ただ、“法定福利費”“減価償却費”“租税公課”などは、
最初はなんのことだかよくわかりませんでした。
それでも、P/L全体の、概ねの仕組みは理解できたのです。
そして、問題のB/S(貸借対照表)です。
最初に経理課長から教えてもらったことは、今でも覚えています。
“左側と右側に分かれていて、一番下の合計が同じになるんや”
“P/Lは一定期間の累計を表すけど、B/Sは、ある日の状態を表すんや”
ということでした。
他にも色々教えてもらったのですが、
最初に理解したのは、そのことくらいです。
とはいえ、
左側と右側の中身の意味もわからなければ、
ある日の状態が何を意味するのかさえも、よくわかりません。
ただ、そういうものだ、ということを理解したに過ぎなかったのです。
引き算で結果に到達するP/Lに比べて、
B/Sには、そのような明確な計算式がありません。
どこかが大きければ良い、というものでもありません。
加えて、勘定科目をながめてみても、
それだけでは中身の想像がつかないものばかりです。
とにかく、
仕組みがよくわからない、
良い悪いの判断がつかない、
どこから見たらいいかわからない、
勘定科目の意味がわからない、
などで、新入社員の私は困ってしまったのです。
B/Sがよくわからない、という声を良く聞きますが、
その原点は皆、同じようなものではないでしょうか?
改めて、B/Sはなぜわからないのか、について、
考えてみたいと思います。
(つづく・・・)
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