B/S面積グラフから考えてみよう (55)
古山喜章です。
様々なオフバランスと資金調達が進み、
ようやく退職金を支給することになりました。
支給前の面積グラフは、次のとおりでした。
前回、(54)の項でも申し上げた通り、
退職金の額は、ちょうど、自己資本を上回るくらいの額です。
上の面積グラフで言うと、右下の剰余金がなくなり、
それを上回る額は、損失として、左側に計上されることになります。
それが、次のグラフです。
退職金を特別損失として計上し、
剰余金はきれいになくなりました。
で、左下の損失と、右下の資本金を比べてください。
損失が若干大きくなっています。
つまり、債務超過の状態になっているわけです。
債務超過といっても、
銀行借り入れもなく、資金繰りは回る状況なので、
別段、何も問題はありません。
しかも、わずかな超過ですから、通常どおりの業績ならば、
すぐに債務超過の状態から脱してゆきます。
仮に、銀行借りれがあったとしても、業況に問題がなければ、
債務超過は一時的であることを、説明すればよいのです。
とにもかくにも、
年度末の決算書は、上記の面積グラフで確定させたのです。
そして、その決算書をもとに、株価の算定を行ったわけです。
さらに、経営者がもらった退職金を、
少人数私募債にすることの検討も、同時に進めていったのです。
(つづく・・・)
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