完全キャッシュレス化への道 ⑥
古山喜章です。
~仮払い 百害あって 一利なし~
つい、川柳風になりましたが、
仮払いが会社にとってプラスになることは、
何もありません。
むしろ、害悪ばかりが目につくのです。
先日も、
“うちは仮払金申請書に、承認まで8人が印鑑を押します”
という企業がありました。
“えっ!仮払い申請で8人!!”
とまあ、驚きの声を上げてしまいました。
金額を聞くと、1万円くらいから申請書があるのです。
そのために、各自が内容を見ているかどうかはともかく、
8人の手元を申請書が流れてゆき、ハンコが押されてゆくわけです。
電子決済ではないので、紙の申請書がまわってゆきます。
大いなるムダ作業ですね。
8人もの手元を渡るのであれば、
川の流れのようにゆるやかには進みません。
あちらこちらで滞留するでしょう。
で、遥かなる旅路のもと、申請書が承認され、
経理担当が現金を封筒に入れるなどして準備し、
申請者に連絡します。
そしてようやく、
現金が申請者に渡され、物品が購入されるのです。
それだけでは終わりません、
仮払金の精算業務が控えているのです。
そもそも1万円やそこらの金額で、
8人もの人間が承認しなきゃいけない物品って、なんなのでしょう?
せいぜい、上司ひとりが承認すればよいはずです。
そのうえで、立て替えやカード払い、電子マネーで済ませれば、
つまり、キャッシュレス化ができれば、
承認の手間も、出金や精算の手間もいりません。
これじゃあ、利益がでないようにしてしまっている、
といっても言い過ぎではありません。
そこで気になったのが、
“じゃあ通常の稟議書はいったい何人捺印するの?”
ということです。先方にたずねると、
“仮払金と同じ8人なんです・・・、なんですけど・・・”
というのでその先を聞くと、
“それが困ったもんで、2人くらい承認しただけで、
100万円くらいの稟議書が、通っている場合があるんですよ!”
と、言うのです。
“えっ?なんで通るの??”と聞くと、
“急いでいるから、とか、発注が間に合わないから、とか、
〇〇さんの了解はとったから、とか、なんです”
とまあ、一体全体、誰の為の、何の為の管理ルールなのか。
このようなことが、
たぶん、あちらこちらで発生しているのではないでしょうか?
こんなことをやめるだけでも、
いくばくかの埋蔵金が発掘されるはずなのです。
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