65歳までの全員を採用!ウソ?ホント?
古山喜章です。
2014年4月1日より、高齢者雇用に関わる法律が改訂されます。
(高齢者雇用安定法の改正)
60歳で定年になっても、
希望者は65歳までの全員を継続雇用しなければいけない!
と、お思いではありませんか?
原則、そうなんです。
しかし、ここに若干、経営者側の勘違いが含まれています。
まず、この法律の目的は、無年金者をなくすことです。
年金支給年齢が、経過的に、65歳支給に変わってゆきますから、
その経過に合わせ、雇用義務者も段階的に引き上げればよいのです。
例えば、平成25年4月1日以降の3年間は、
60歳以上、61歳未満、の希望者全員が対象になります。
なので、すでに再雇用となっている62歳以上については、
再雇用義務はありません。
これまでの社内規定に応じて、雇用すればよいのです。
で、次の3年間は、60歳以上62歳未満、が対象となります。
つまり、60歳定年後、65歳までの全員の雇用義務が生じるまで、
徐々に、義務対象者の範囲が拡大されてゆきます。
12年間の経過措置があるのです。
さらに、
労使間での合意がある場合、雇用義務対象者を限定することができます。
修正案にて盛り込まれました。
労使協定の中に、次のような文言を入れるのです。
「原則として希望者全員を再雇用する。
ただし、次のいずれかに該当する場合は採用しない
①健康状態が著しく悪い者
②勤務態度等が著しく悪い者」
で、労使間の合意を得ればよいのです。
この、“著しく”というのが、どういう状態なのか、と、
議論がされているところではありますが、
おそらく、はっきりした見解は示されないでしょう。
それなら、会社側が、はっきり示せるように、
エビデンスを準備すればよいのです。
それが、人事考課の資料であり、
会社側が指定する病院の診断書、なのです。
“65歳までの雇用確保義務化!”
という言葉ばかりが先行しますが、
よくよく法を見れば、このような対応方法があるのです。
法を逸脱することはできませんが、
可能な方法は取り入れ、柔軟な対応ができるように、
しておいてほしいですね。
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