企業で起こる不正⑥
福岡雄吉郎です。
今回は、外部(契約)倉庫で起こる不正を紹介します。
北陸地方に本社をおく、
スパイスの製造・販売を行っているY社での事例です。
Y社は、10年以上前にヒット商品を開発し、
業績を大きく伸ばしました。
その分、在庫量も多くなったのですが、
自社倉庫だけでは、保管しきれなかったため、
外部倉庫(Z社)を活用することにしました。
以来、Z社と長らく契約をしていたのですが、
このZ社の担当者が、Y社の在庫を横流しし、
私腹を肥やしている事実が発覚しました。
Y社からすれば、長年付き合ってきた業者だけに、
裏切られた気分だったのですが、
調べると、Z社で保管している在庫の管理が杜撰でした。
その管理方法とは、
年度末に、(Y社が)Z社で保管しているはずの在庫リストを送付し、
品名や数量に間違いないかを口頭で報告させるのみ、
というものでした。
Z社に直接、棚卸に行ったことも、
残高証明書を入手したこともなかったようでした。
長年の信頼関係からか、担当者の怠慢であったかは、定かではないものの、
とても不正を発見できる体制ではありませんでした。
外部倉庫を利用している場合、不正を防止・発見するためには、
・倉庫業者に棚卸をさせ、倉庫業者から報告させること
・倉庫業者から、在庫の残高証明書(社印押印のもの)を取り寄せること
・外部倉庫に出向き、直接棚卸すること
などが、対策として考えられます。
「長年契約をしているから大丈夫」
「お金を払ってやってもらっているから、
責任をもってやってくれているだろう」
などの思い込みで、外部倉庫業者に任せっきりになっていないか、
一度確認されてみてはいかがでしょうか。
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