企業で起こる不正⑦
福岡雄吉郎です。
今回は、ホームセンターJ社で起こった不正について紹介します。
J社には、毎日大量の商品が入庫されます。
一部の商品は、運送会社K社によって納品されていました。
納品時には、入荷リストと商品を照合して検品します。
入荷リストと、納入商品の品名や数量が整合しているかを確認し、
受領書にサインしたうえで、納品完了としていました。
K社のドライバーは、
長い間J社の担当になっていました。
J社の検品担当者とも親しく話すなど、
お互い信頼関係が出来ていました。
当初は、一つ一つ検品を行っていました。
しかし、次第に、馴れ合いの関係から、
J社の担当者はいちいち確認せずに、
受領書へサインするようになっていきました。
それをいいことに、あるときから、
K社のドライバーは、商品の一部を抜き取って、
納品するようになっていました。
J社では棚卸を1年に1回しか行っていませんでした。
棚卸をしてみると、帳簿上であるはずの数量が、
実際には全くないことが分かったのです。
そして、調査を進めていくと、
K社のドライバーが横領していたことが発覚したのです。
J社の社内で起こった不正ではなかったものの、
不正の原因は、J社側にもありました。
ドライバーと馴れ合いの関係にならず、
検品を丁寧に行っていれば、こうした不正は防止できました。
また、棚卸を毎月行っていれば、
早期の発見につながったはずです。
信頼関係と「馴れ合い」の関係というのは表裏一体です。
馴れ合いの関係が強くなると、
不正の発生する可能性が高まります。
たくさんの商品を扱う店舗や、
毎日、頻繁に納品が行われる店舗などでは、
①ドライバーとの信頼関係や、忙しさを理由に、
検品がおざなりになっていないか確認すること
②検品担当者をローテーションさせる、
あるいは、人事異動させること
など、一度検討されてはいかがでしょうか。
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