完全キャッシュレス化への道 ②
古山喜章です。
~経理は社内のサービス機関ではない~
かつて、経理課に所属していたときのこと。
担当の業務で、店別の月次予算実績対比表や、
月次決算分析などを行っていました。
集中して仕事をしたいのですが、
必ずと言ってよいほど、
“交通費の精算をしてくれ”
“出張に行くから仮払金を出してくれ”
などと他部門の社員が現れ、度々、手が止まるのです。
とにかく、業務効率が悪いのです。
で、ある先輩の経理課社員が、とうとう切れてしまいました。
“忙しいから後にしてください!”
すると、その社員も黙っていません。
“経理は社内のサービス機関なんやから、すぐやってくれ!”
ときたものですから、
“僕らは社内のサービス機関じゃないですよ!”
“経理には経理本来の仕事があるんですから!”
と、先輩社員はさらに言い返し、結局、後で対応したのです。
これは、経理業務を担当したことがある人なら、
誰もが感じたことのある気持ちではないでしょうか?
今もそうだと思いますが、管理部門以外の一部の社員は、
経理や総務は社内のサービス機関、と勘違いしています。
で、問題なのは、
やっている当の本人でさえ、そう思い込んでいる場合があるのです。
というより、
それが業務の中心になっているような経理社員さえいるのです。
それでは、キャッシュレスへの改革など、進むはずがありません。
経理は経営管理を司る部署です。
出金業務や精算業務は、しなくても済むなら、したくない業務なのです。
ならば、しなくてもよいように業務を変えてゆこうじゃないか、
ということで、今から15年ほど前ですが、
・精算日や時間を決める
・仮出金や仮払金を減らす
・小口の買い物は個人で立て替え、給与振込時に入金する
などということを進めてゆきました。
キャッシュを扱っていて、一番面倒くさいと感じているのは、
経理担当者のはずなのです。
なので、経理の社員が音頭をとらないことには、前に進みません。
経理が本来の業務に集中でき、
業績に繋がらない余計な業務から解放されるためにも、
キャッシュレス化を進めてほしいのです。
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当社は零細企業なのですが、個人で経費を立て替えて給与と一緒に振り込む事を提案したところ、奥さんが家計を管理しているところなど、お金の色分けがややこしくなるので、絶対にやめてくれと部長級はじめ総スカンでした。精算用の口座を別途設けて振り込むのも手数料もったいないですし・・・
投稿: hiro | 2012年11月 7日 (水) 11時07分
コメントありがとうございます。
そうですね、必ずそのような反発がでてきますね。
私が取り組んだ時も、そうでした。
しかし、最終的には、社内業務の効率化=業績向上につながる、
ということを押して、変えることになりました。
で、実行して1年後には、だれも何も言わなくなりました。
なれるとそのようなものなのですが、
最初の切り替え時には、かなりのエネルギーがいりますね。
投稿: 古山喜章 | 2012年11月 8日 (木) 06時18分