B/S面積グラフから考えてみよう (56)
古山喜章です。
社長に高額退職金を出して剰余金を一気に減らし、
債務超過になった事例を、前回紹介しました。
次のような面積グラフになりましたね。
これが決算期の状態ですから、このB/Sをもとに、
株価の算定をしてもらいました。
決算が確定して、すぐに行ってもらったのです。
すると、株価が“1円”となったのです。
で、その時点で、
退職金を受け取った社長が保有していた株式を、
すべて後継者へと移行したのです。
株価が1円ですから、
110万円の非課税枠のなかで移行できました。
後継者は金銭的な負担なく、株式を継いだのです。
これで株の移行は終わり、
次に、前社長が受け取った退職金の一部を、
少人数私募債を活用して、会社に入れてもらいました。
少人数私募債の発行額は、大きさでいうと、、
上の面積グラフの「経営者借入金」の、約1.5倍としました。
そこで、前社長がすでに貸し付けている「経営者借入金」を、
少人数私募債の払込金として活用することとし、
不足分を、退職金から払い込んでいただいたのです。
経営者借入金は、少人数私募債となり、
増額した分、現預金が増えています。
決算書上、債務超過ではありますが、
資金繰りにはなんの問題もありません。
そして、翌年度の決算時期には、
さらに強い、驚くべき財務状況となっていったのです。
(つづく・・・)
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