B/S面積グラフから考えてみよう (57)
古山喜章です。
社長に高額退職金を出して剰余金を減らし、
株価を下げて後継者に移行した事例を紹介してきました。
さらにその後、
その退職金を少人数私募債として会社に入れてもらい、
面積グラフは次のようになりましたね。
剰余金が一気にマイナスとなり、
その分が損失として、左側に残っています。
これが、新年度が始まって2ケ月後の状態でした。
そして、ほぼ例年通りの業績でその年度を終えました。
すると、面積グラフは次のようになったのです。
左側にあった損失がなくなり、資本の部には、
剰余金も若干のプラスとなったのです。
少人数私募債も銀行評価では自己資本とみなされます。
となると、自己資本比率は75%を超えてきたのです。
これらのスキームを始める最初の面積グラフと比較すると、
このような感じです。
いかがでしょうか?
土地や投資などがなくなってスッキリし、
自己資本比率も高まりました。
現状では銀行借り入れはありませんが、
借入を必要とする時には、かなり有利な条件を引き出せる、
という財務状況になったのです。
実際、無借金になってから、銀行がやたらと来るようになった、
ということなのです。
これらのスキームは、B/Sを見ながら進めたからこそ、
できたことで、P/Lだけを見ていては、到底できません。
だから、面積グラフというものを活用しながら、
B/S思考で考えておいてほしいのです。
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