本には書けない、実務の世界 ③
古山喜章です。
経営や管理業務に関するノウハウ本には、
あるべき姿が書かれています。
しかし、実務をやっていると、
全うなノウハウだけでは行き詰まる場面に巡り合います。
~棚卸表のエラー~
「棚卸表には、品名、数量、単価、金額を明記すること」
と、ノウハウ本では書かれています。
しかし、
店舗や生産現場の棚卸表を担当していると、
さまざまな勘違いや書き間違いに悩まされます。
1)単位間違い
棚卸表ではケース単位なのに、現場はその中身のパック単位で記載し、
金額が極端に大きくなってしまった。
2)品名間違い
現場の記入者が間違って、似た品名のところに数量を記載し、
棚卸金額が大きく変わってしまった。
3)呼び名違い
経理は伝票に書かれた名称で棚卸表に記載していたが、
現場では独自の呼び名があり、
経理が知らない名称で空白欄に書き込まれていた。
4)隠れ在庫
あるはずのない在庫が突如書かれてあり、確認すると、
前月末の計上モレだった。
5)計算間違い
計算した数字も現場に書かせていたが、常にどこかが間違っている。
などなど、まあいろいろあります。
どの場合も、こっちが気づかなければ、原価計算に狂いが生じ、
売上総利益が変わってきます。
なので、
管理する部署としては、いちいち細かくチェックすることになります。
現場に連絡して確認したりもします。
これがかなり面倒くさいですねぇ。
しかも、間違いが生じていた際には、現場にきつく教えないと、
また、同じことが繰り返されるのです。
システム的にクリアできることもありますが、
中小企業にとっては、まだまだコストのかかることが多いのも事実です。
まずは、棚卸表の意味や、よくあるエラーを現場に理解させ、
エラーの発生を最小限に食い止めてゆくことですね。
いすれは、ICタグや、画像認識・音声認識などが、
中小企業の実棚卸に活用されてゆくでしょうが、
まだ実用までは、少し時間がかかりそうなのです。
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