余計な在庫は処分するべし!
古山喜章です。
多店舗展開している業態の場合、
不採算店舗を閉鎖する、ということがあります。
その際、例えば小売店の場合、
閉鎖した店舗の在庫を全て、他の店舗へ振り分ける、
ということが起こりがちです。
“これは他の店でも売れるだろう”
“処分するのはもったいない”
となるわけです。
しかしそうなると、
振り分けられた他の店舗は、在庫が増えてしまいます。
他の店舗で在庫が不足している、あるいは回転が速く、
すぐに発注を必要とする、という商品ばかりならいいです。
しかしそんな都合のよい商品はほとんどなく、
“売れるけれども、今はそんなに要らない”
という商品がほとんどです。
在庫をおしつけられた現場は、管理の手間が増え、
余計なコストが発生してきます。
で、その結果、不採算店舗を閉めるので、
全体の粗利や経常利益は若干改善するかもしれません。
が、在庫はほとんど減りません。
店舗を閉めた分、売上高は下がっているのに、
在庫は以前と変わらず、総資産はほとんど変わらない、
という貸借対照表を見かけることがあるのです。
要は、PLは改善されるも、BSはかわらず、という状況です。
そのため、総資産回転率は、かえって悪くなるのです。
不採算店を閉めるなら、
その在庫は一部の回転が良い商品を除き、
処分するべきなのです。
そして、店舗閉鎖に伴う、棚卸資産除却損を、
特別損失に計上すれば良いのです。
不採算店を閉鎖するのは、キャッシュフローを良くしたいからです。
経常利益を良くしたいからではありません。
ならば、目先の“もったいない”にとらわれることなく、
BS発想のキャッシュフロー目線で考え、
過剰在庫を思い切って処分してほしいのです。
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