簿外の預かり金はありませんか?
福岡雄吉郎です。
親睦会やクラブ活動など、社内で事業と直接関係のない、
○○会がある、という会社は多いと思います。
このうち多くは、○○会が社員から資金を預かって運営しています。
この場合の預かり金は、会社の資産ではなく、
○○会(つまり、社員)の財産となります。
この預かり金は、不正が起こりやすい項目です。
入出金や記帳は、一人の執行部(会計)担当に任せきりなっている、
という場合が多いからです。
一人の担当者に任せきりになる理由として、
①各々でみると、大金を預けている場合が少ないため
②この預かり金は、会社の帳簿と切り離されて記録されるため
で、預けた側、預かった側双方の意識が薄くなっていることが、
主な原因と考えられます。
①預けた側は、各々で見れば少額であっても、
預ける側の合計が何十、あるいは百人を超す場合、
合計額は、結構な金額になります。
預かり金はまとまった額になるのに、注意が向けられない、
となれば、当然不正が起きやすくなります。
②会社の帳簿に計上される場合は、
役員、社長、税理士などに報告されることになります。
となると、担当者としては、不正がやりにくくなるし、
上司も、金額の内訳など細かく把握しようとします。
しかし、会社の帳簿に計上されないと、
「少々ルーズになってもいいや」という気持ちが、
担当者にも他の執行部メンバーにも芽生えてしまいます。
となれば、当然不正が起きやすくなります。
こうした不正を防ぐためには、
(1)まずは、入出金を行う人と出納帳の記帳者を分ける
(2)それが不可の場合、毎月、四半期ごとなど、
定期的に他の執行部メンバーが預り金の受払帳(出納帳)を確認する
(3)出納帳残高は、実際の通帳残高や現金残高と照合させる
(4)預けた側に報告書を提出し、承認してもらう
(5)その際には、単に預り金の出入記録だけでなく、
出納帳残高と通帳残高を照合させる
などが考えられます。
会社の帳簿は細かく管理しているのに、
こうした預かり金の管理はルーズになっている、
という会社は多いです。
一度、社内に簿外の預り金があるのか、
また、ある場合はどう管理しているのか、
について、確認されてはいかがでしょうか。
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