ヒヤリ・ハットは少ないほうが良い?
古山喜章です。
物流現場の改善活動発表を聞く機会がありました。
テーマは、「ヒヤリ・ハットの削減」でした。
作業中、“ヒヤリとした”“ハッとした”という事が、
いわゆる、“ヒヤリ・ハット”ですね。
その物流現場でも、
日常的にフォークリフトが走りまわっており、
安全対策のために、ヒヤリ・ハットを減らそう!
というわけです。
で、発表を聞いていると、改善活動を進めるなかで、
ヒヤリ・ハットがどんどん減っているのです。
でも私は、“それはおかしいよ”と指摘しました。
ヒヤリ・ハットは減らすものではなく、
たくさん洗い出して、その原因をつぶしてゆくものです。
だから、結果として、ヒヤリ・ハットが減るのです。
“ヒヤリ・ハットを減らそう!”
という活動を始めた場合、本当にまじめに取り組む現場は、
最初、ヒヤリ・ハットが格段に増えるのです。
で、“今まで気づかなかったヒヤリ・ハットがこんなにありました!”
となるはずなのです。
これまで以上に意識をして、ヒヤリ・ハットを探すのですから、
増えて当然なのです。
そして、ひとつずつ、その原因を考えてリストアップし、
計画を立てて、順に改善してゆくわけです。
それが、“表示をしました!”程度の改善で、
ヒヤリ・ハットがどんどん減るなら、それは、
真剣に取り組んでいない証拠なのです。
ヒヤリ・ハットの改善に取り組むなら、
まずは毎日ひとり1件ずつ見つけてカードに書き出す、
ということを、1ケ月~2ケ月続ける、ということが必要です。
で、そのヒヤリ・ハットを種類別に分類し、
原因を討議して真因を見いだし、改善策を講じるのです。
すぐにできるものもあれば、少し時間のかかるもの、
新たなルールが必要なもの、などがでてきます。
で、担当やスケジュールを決めるのです。
ヒヤリ・ハットは、医療・介護、各種工場、店舗など、
さまざまな業種で、危機管理に備えて取り組まれています。
しかし、表面的な思いつきのヒヤリ・ハットでは、底が浅く、
大した改善にはつながりません。
ヒヤリ・ハットの削減に取り組むなら、
取り組む目的を理解し、真剣に取り組んでほしいのです。
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