少人数私募債の勘定科目はどうすればよい?
古山喜章です。
少人数私募債に関して、未だによく受ける質問が、
“少人数私募債の勘定科目は何になるんですか?”
ということです。
さらに、
“先生方のブログやセミナーでは、自己資本になる、と言われますが、
ウチの税理士は、借入金として負債にいれなきゃいけない、
というんです”
と続くわけです。
結論、
1.自己資本になる、のではなく、銀行の格付け評価において、
銀行は、自己資本と同じ、と見なしてくれる。
2.勘定科目は、“少人数私募債”として、固定負債に入れる。
ということです。
つまりよく勘違いされるのは、
“純資産の中にどうやって私募債を入れるんだろう?”
と、誤解される場合が多いのです。
純資産の中に入れるのではなく、あくまでも、固定負債です。
ただし、少人数私募債は、
経営者の親族・知人などのごく限られた方々からの調達です。
だから、銀行側が財務評価をする際に、出資同様の調達資金、
と見なしてくれるのです。
ところが、どこかの税理士先生がおっしゃるように、
少人数私募債を“借入金”という勘定科目で決算書表記してしまうと、
どうなるでしょう?
銀行はその決算書を、格付評価データ担当の従業員に渡します。
その従業員がデータ入力する際、勘定科目に“借入金”とあれば、
単なる外部からの借入金として判断して入力しますね。
“借入金”とあるだけでは、
少人数私募債なのかどうかはわかりませんから、当然です。
で、せっかくの少人数私募債なのに、
銀行評価における、自己資本比率アップに役立てれないのです。
じゃあなぜ、税理士先生は“借入金と書かなきゃいけない”、
と言うのでしょう?
それは、銀行の格付け評価を知らない、あるいは、
名前だけは知っているけど、その仕組みを知らない、
ということです。
さらに、少人数私募債を知らないのです。
銀行発行の社債などと同じ、と勘違いしてしまい、
“借入金”としてしまうのです。
もし、少人数私募債を活用されている、
あるいは、活用しようとしているなら、
その勘定科目を“少人数私募債”と記載してもらうよう、
顧問税理士には、しつこいほど念押ししておいてください。
それくらいしないと、気がつくと、“借入金”となっていた、
という事例を何度も見てきているのですから。
結局、税理士事務所も、入力担当者は別の方、
という場合が多いですから、まかせっぱなしだと、
“借入金”になるのですね。
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