眠ったままの制服
福岡雄吉郎です。
関西地方にある、警備会社での話です。
貸借対照表を見ると、「貯蔵品」が200万円程度ありました。
貯蔵品とは、「原材料や商品以外で製造、営業、事務用に購入した、
消耗性資産の資産で未使用のもの」です。
「なぜ、警備会社でそんなにあるのだろう?」と聞くと、
「制服ですよ。」との答えが返ってきました。
制服といっても、200万近くとは結構な額です。
先日、実際に制服を見せてもらいましたが、
制服はオーダーメイドで作っていたことが分かりました。
当然、価格も市販のものより高くなります。
私は、「なぜ、オーダーメイドなのですか?」と質問しました。
「市販の制服は、メーカー側の理由で型がよく変更され、
今制服を買っても、数年後には型が変わってしまうことが、よくあった。
警備業では、制服が変わると、公安委員会に届出の必要があるため、
そうした手間を考えると、オーダーメイドのほうが安く済むと考えた」
という説明でした。
しかし、オーダーメイドの場合、
まとまったロットで発注しないと、生産してもらえません。
すべて使えばよかったのですが、仕事量が減り、
未使用の制服が大量に残ってしまっています。
当然、この中には、まったく動いていない在庫も含まれています。
そこで、担当者には、
「期末に棚卸したときに、正常在庫と不良在庫に分類して、
不良在庫は処分して、特別損失として計上してください。」
と伝えました。
決算の際に棚卸する、という会社は多いですが、
「数えて終わり」という会社が結構多いです。
この会社の棚卸も、これまで「数えて終わり」でした。
そうではなくて、
①不良在庫がないか検討する
②不良在庫があれば処分(返品、売却、廃棄)する
③処分したら、特別損失で処理する
という対策を講じるのです。
そうすれば、倉庫のスペースもすっきりするし、
何より、税金の支払が抑えられるので、
資金繰りがラクになります。
この会社には長年、顧問契約を結んでいる税理士がいます。
しかし、そもそも制服を「貯蔵品」として計上する必要があるのか?
という点も含めて、何もアドバイスはありません。
先週に引き続き、顧問税理士に違和感を覚えました。
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