銀行取引の「なぜ?」 ②必要以上の現金を借りる不思議
古山喜章です。
銀行取引のことをお聞きすると、
“なぜ?そうなのですか?”
と感じることがしばしばあります。
②なぜ必要以上の現預金を借りるのか?
貸借対照表の右側に短期・長期などの借入金があり、
左側に、それに相当する額の現預金をお持ちの場合があります。
ひどいときは、借入金以上に現預金を持っておられます。
“なぜ、こんなに現預金を持っているのですか?”
と、お聞きします。
“何かあったときのために・・・”
“銀行から、今なら金利が低いと言われて・・・”
“銀行の方から頼まれて・・・”
“経理担当に任せていたら、こうなったんです・・・”
などとおっしゃいます。
いずれにせよ、必要ないのに借りているわけです。
その分、総資産が増えますから、
自己資本比率などの経営指標は悪化します。
当然、金利もその分発生します。
財務にとって、害はあれどもプラスなし、なのです。
“先代の時代から、
「1年分の売上がない状況があっても給料が払えるようにしておけ!」
という遺言があるので・・・”
という話しも聞いたことがあります。
しかし、
1年間も売上がない状況になったとしても、
その調達先の銀行への毎月の返済は待ったナシです。
震災や風評被害などを受けて、
やむなく倒れるのは、借入の多い会社です。
借入してまで、
必要以上に現金を持つことは、危険なことなのです。
支払うカネも必要ですが、入ってくるカネもあるのです。
出るのと入るのと、タイミングをうまくすれば、
月商の0.5ケ月分でも資金繰りは可能な業種がほとんどです。
在庫同様、
現金もギリギリで回すことが、効率の良い経営なのです。
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