40年前の油絵はどうなる?
古山喜章です。
この時期になると、決算書を拝見する機会が多くなります。
その際、固定資産の明細書も見せてもらいます。
すると、????と思う資産に出くわすことがあります。
ある企業の明細書で、“油絵”と記載されているのを見つけました。
取得年月日は、なんと昭和50年です。
取得価額は20万円で、一切減価償却されず、今も簿価は20万円なのです。
“この油絵って、どれですか?”
と、経理担当に聞きます。
“えっ?そんなものがありますか?”
と、担当者も気づいてません。
そもそも、取得が約40年前です。
詳しい経緯は当然のこと、その油絵がどこにあるのかさえわかりません。
もっと言えば、あるかないかさえ、わかりません。
で、決算書を作成している税理士事務所に問い合わせると、
“ずっと償却されていないので、そのままでいいのだと思ってました”
という、担当者の回答です。
確かに、
美術年鑑に掲載されるような美術的価値の高い絵画の場合は、
減価償却をしない、とされています。
時を経て価値が上がることがあるから、ということです。
そうでない絵画であれば、減価償却可能ですし、
今なら30万円未満の場合は、一括償却可能です。
で結局、除却することにしました。
あるかないかさえわからず、どのような油絵かもわからないのです。
他にもよくあるのは、
聞いてみたら、
“これ、うちの親戚が書いた絵です”
“有名な画家さんですか?”
“いやいや、趣味ですわ”
などというパターンですね。
そんな絵画も、成り行きを知らない税理士事務所の担当者は、
資産計上してしまい、延々と残る場合があるのです。
固定資産の明細をじっくり眺め、????と思うものがあれば、
確認してみてください。
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