「リンカーン」に見るリーダーシップ
古山喜章です。
私にとっては、やはり気になるスピルバーグ作品
「リンカーン」を見てきました。
この手の実在の人物を描いた伝記的作品が、実は好きでもあります。
なんと言っても、本を読むよりも早く済みます。
これが映画の素晴らしいところです。
“最も愛されたアメリカ大統領”であるリンカーンの、
リーダーシップをどのように描いているのか、
がとても楽しみでしたね。
ある意味、アメリカの理想を描かねばならないわけですから、
その人物像をどう組み立てるのか、
かなりの試行錯誤があったと思われます。
ドラマのポイントは、
“奴隷制度撤廃”の法案を上院と下院で可決させること、です。
特に、反対派が多い下院をどのように可決させるか。
“そんなことはムリだ”と言う老いた側近をねじ伏せ、
時に激しく、時に静かに、自らの思いを熱く語ります。
最前線の現場の人間に接し、
感謝を込めて彼らの意見に耳を傾けます。
反対派のキーマンには、
自ら出向いて相手の意見を正面から深く聞き入り、
相手の考えを否定せずに、
現状と未来への想いを短くコンパクトに語ります。
歴史への予備知識がないと、ちょっと難しく感じるところもあります。
が、トップとしてのリーダーシップをどう発揮するか、
という点では、参考になる作品です。
ただ、興行的には、厳しいですね。
やはり、年寄りの説教くささを、あちらこちらに感じるのです。
冒頭、スピルバーグ自らが登場し、時代背景を解説する、
という大胆なカットがあります。
これも、ない方がいいですね。
« 債権の時効 | トップページ | 尺蠖の屈するは伸びんがため »
「日曜ビジネス映画劇場」カテゴリの記事
- 映画「マネー・ショート」に見る、銀行の汚さ(2016.11.05)
- お気に入りの一本 ⑤(2014.01.03)
- お気に入りの一本 ④(2014.01.02)
- お気に入りの一本 ③(2014.01.01)
- お気に入りの一本 ②(2013.12.31)
コメント