財務を動かす損得感情 ③
古山喜章です。
“得をしたい!”
決算書には、経営者のそんな想いが表れます。
③“ただ預けておくより、得すると思って・・・”
この想いが先行し、
どこかの株式を買った、外国通貨建て債券を買った、
ということがよくあります。
その場合、貸借対照表の投資部分、
「投資有価証券」の金額が、やたら大きいのです。
いずれにしても、
“メイン銀行に勧められて・・・”
という場合が多いですね。
そりゃそうです。
メイン銀行は、預金残高がわかっているのです。
運用に使えるお金があるのかないのか、
わかっているのです。
メインでなくとも、決算書を渡していたら、まるわかりです。
カネがあるとわかり、経営者が日頃から、
“なにかいい儲け話はないだろうか?”
などと口走っていようものなら、格好の獲物なのです。
預金がなくても、体力があると見たら、
“利回りのいい投資案件がありますよ”
“御社なら、すぐにでもお貸ししますよ”
と、うまく誘い込みます。
で、
本業の業績となんら関係のない株式を買ったり、
〇〇債など、どこかの国の通貨債券を買ったりします。
買うと、儲け話しが好きな方ですから、
“上がったのか、下がったのか”
が、気になり始めます。
本業がおろそかになります。
まあ、大抵、下がりますね。
かといって上がったら、また、買ってしまいます。
結局、損するまで、やめられないのです。
本業と無関係な投資をして大損し、会社が傾いた。
これは本当に、よくある話し、なのです。
従業員の理解など、得られません。
完全なる、法人の私物化です。
会社の財務は、経営者のよからぬ損得感情で、
あっという間に傾くのです。
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