財務が変われば銀行も変わる ③
古山喜章です。
心理学の世界では、
“自分が変われば、相手も変わる”
と言います。
同様に、企業の場合は、
“財務が変われば、銀行も変わる”
なのです。
③“保証人・担保は、いただきません”
“今や、借入時の保証人・担保は要らない時代です”
と、言っても、
“いやいや、そんなことはないですよ”
“担保が必要です、と言われました”
“無しにしてくださいと言っても、それはできませんと言われました”
“本当にそんなこと、できるんですか”
“大企業の話しじゃないんですか?”
などと言う声をよく聞きます。
ある中小企業の話しです。
年商は約30億です。
かつては借入金が多く、
常に20億を超える借入金がありました。
とにかく、資金繰りが大変です。
もちろん、担保も個人保証も、どっぷり漬かっています。
担保と個人保証が要るのは当たり前、と、
経営者は思い込んでいました。
加えて、経理担当者は、銀行に頭が上がらなくなっている、
といった状況でした。
“借りれなかったらどうしよう・・・”
という不安を常に抱えていたのですから。
しかし幸いなことに、
業績が悪い、というわけではありません。
返済が多いので、キャッシュフローが悪くなっている、
という状況が続いていたのです。
そして、オフバランスを始めました。
不要な土地を子会社に売って損を出す。
不要な建物は壊して除却損を出す。
不要な機械・設備は資産台帳から一掃して損を出す。
とにかく、要らない資産を削り、
特別損失を出しまくったのです。
すると、税引き前利益が小さくなります。
納税が減ります。
残ったキャッシュを、どんどん返済に回しました。
財務体質は一変しました。
借入額は、以前の半分になりました。
とはいえ設備産業の業種ですから、今も時に融資が必要です。
条件が良い銀行があれば、借り換えもします。
そのときの条件は、次のようになりました。
銀行からの、提案書の一部です。
経営者も、経理担当者も、
銀行に対して強い交渉ができる、と、自身を持ちました。
結局、財務体質が良くなれば、
調達力がアップするのです。
しかしそれは、その“調達力”という武器に、
相手に交渉する、という戦いをしかけなければ、
活かされません。
どうか、
総資産を縮めて調達力を磨き、交渉力を活用してください。
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