財務が変われば銀行も変わる②
古山喜章です。
心理学の世界では、
“自分が変われば、相手も変わる”
と言います。
同様に、企業の場合は、
“財務が変われば、銀行も変わる”
なのです。
②“借りていただけませんでしょうか?”
東日本大震災の直後、東北のある企業のこと。
売上が一気に下降しました。
(この先、どうなるのだろうか・・・)
資金繰りに不安を感じた経営者は、
取引銀行の担当者に、申し出ました。
“3000万円ほど、お借りできませんでしょうか?”
売上がダウンしても、借入返済に人件費や経費など、
当面の支出は発生します。
不安になるのもムリはありません。
しかし、その銀行担当者の返答は・・・、
“申し訳ありません。御社にお貸しすることはできません。”
と、いうものでした。
雨が降れば傘を取り上げる、とはこのことです。
業績の悪化は目に見えている、
と、銀行は判断したのでしょう。
その銀行からは、すでに融資を受けています。
借りているから貸してくれる、なんていうのはウソです。
その銀行にとっては少額であろう、
3000万円であっても貸さないのですよ。
ところが、です。
復興需要の後押しにより、業績は急回復しました。
回復どころか、過去最高の経常利益です。
もちろん、経営努力のたまものです。
加えて、一気に財務改善を行いました。
震災前よりも、ずっと強い財務体質になったのです。
そしてこの3月、その銀行担当者が来ました。
“少しの間で構いません。
3000万円ほど、借りていただけませんでしょうか?”
経営者の心の中は、
(きたきたきた、仕返しの時がきた!)
という気持ちでいっぱいだったそうです。
“う~ん、そうは言われましてもねぇ・・・、
今は必要ありませんからねぇ・・・、
お借りすることはできませんねぇ・・・”
と、やんわり、ネチネチと、お断りしたそうです。
結局、銀行が“貸すか”“貸さないか”は、
財務状況次第、なのです。
特に、年度末の3月には、
財務状況の良い企業に、借りて欲しいのです。
ならば、銀行借入れ時のために、
財務体質を強くしておけばよいのです。
そのためには、
現状の財務状況を面積グラフにし、
何を削ってどう強くするのか、
常に頭に描いておいてほしいのです。
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