相殺していますか①
福岡雄吉郎です。
決算書を見ていると、ときどき、
「こうしたらよいのにな」と思うことがあります。
①貸倒引当金
PL(損益計算書)を見ると、
どの会社も、たいてい、
「貸倒引当金繰入額」という科目があります。
これは、いまある売掛金のうち、
「このぐらいは回収できないだろうな」
という金額を、見積もって費用にしたものです。
そして、ときどき、
この貸倒引当金繰入額の下に、
「貸倒引当金戻入額」という科目をみかけます。
「戻入額」というのは、
前の期に見積もった金額を、
戻しているのです。
決算書で、繰入額と戻入額の両方ある、ということは、
前の期に見積もった金額を一旦戻して(精算して)、
当期に見積もった金額を、改めて計上している、ということです。
しかし、別々に分けて書かなければいけない、
というルールはありません。
“繰入”と”戻入”を相殺してもよいのです。
よくある決算書が、
貸倒引当金繰入が「販売費及び一般管理費」に、
貸倒引当金戻入が「特別利益」に、
入れているパターンです。
この決算書を、相殺するのです。
すると、
となり、見かけ上、営業利益や経常利益が増えました。
決算書上だけでもよいので、
こうすれば、銀行との借入交渉で役立ちます。
一度、自社の決算書を、
確認されてはいかがでしょうか。
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