思いこみが、あだとなる ①
古山喜章です。
よかれと思ったことが、実はマイナスだった。
あだとなる、とは、そういうことです。
①銀行出身者だから、金利が下がるだろう
経理担当者に、銀行出身者を雇う企業をよく見かけます。
雇う経営者には、いろいろな思惑があります。
そのなかに、
“銀行出身者が銀行交渉をすれば、
金利が下がるだろう・・・”
という考えをお持ちの場合があります。
ある企業でのことです。
“銀行出身者にきてもらったおかげで、金利が下がりましたよ。”
と言われるのです。
“どれくらいに下がったのですか?”と聞くと、
“1.7%前後で、2%を切るようになりました。”
と、いうわけです。
“えっ?それって、ぜんぜん低くないじゃないですか?”
“いえいえ、以前は3%くらいでしたから、かなり下がってます。
これはやはり、彼のおかげですよ。”
“まだまだ高いですよ。今は0.5%を切る時代ですよ!”
と、いうことがあり、その経営者は半信半疑、
その銀行と取引のある、他社に聞いてみたそうです。
“金利は何%で借りていますか?”と。
3社ほどに聞いたそうです。
すると、その3社とも、1%を切っていたそうです。
しかも、銀行出身者などいないのに、です。
その経営者は愕然としました。
急遽、銀行交渉にあたり、金利を下げさせたのです。
結局、銀行出身者は、多くの場合、
元の銀行に強く交渉することを、いやがります。
かえって、銀行に義理だてしようとするのです。
銀行も、そのことをわかっています。
だから、よそよりも高い金利になってしまったのです。
“銀行出身者だから、銀行交渉に強いだろう。”
と考えるのは、大きな勘違い、なのです。
今の金利相場を心得て交渉し、低金利で調達する。
そのために、財務状況や決算書に磨きをかける。
このことに、銀行出身であるかどうかなど、無関係です。
銀行出身者が経理担当をされている企業の方には、
そのことを、ご理解しておいてほしいのです。
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