思い込みが、あだとなる ②
古山喜章です。
②システム化しても、効果が見込めない
システム化が進まない、という会社はまだまだ多いです。
“今の人員でも、空き時間に計算や記入ができますし・・・”
“スタッフに高齢者が多いので、なじみにくいです・・・”
“費用対効果を考えると、ちょっと・・・”
“ウチのスタッフはまじめなので、手書き・手計算で大丈夫です・・・”
とにかく最初の一歩が踏み出せません。
ある多店舗展開の企業で、こんなことがありました。
上記のような流れを断ち切り、
ようやくPOSシステムを導入しました。
売上管理はもちろんのこと、
在庫やロスも、データ管理もできるようになりました。
稼働し始めて、半年ほど経過したころ・・・。
“ロス率が上がったのに、原価率が下がったんですよ!”
というのです。
わたしは最初、“?????”と、思いました。
普通、ロスが増えれば、原価率は上がります。
悪化するはずなのです。
なのに、原価率が良くなった、というのです。
“えっ、それってもしや・・・”
“そうなんですよ、
これまでの手書きのロス率が、正しくなかったんですよ”
“というより・・・”
“そうなんですよ、 裏付けがつかないのをいいことに、
都合のいいようにしていた店が多々あったんですよ”
システム導入によって、ロス率をごまかすことができなくなり、
ロス管理が強化されたわけです。
で、その結果、原価率が下がった、というわけです。
“じゃあ、システム化の効果はあったでしょ。”
“ありました”
“高齢者のスタッフでも使っているでしょ”
“慣れたら終わりですね”
というわけで、
システム化がされておらず、得られたデータは、
データ元が多いほど、信憑性を疑わねばなりません。
今回の場合、
“ウチの社員はまじめだから”
“システム化しても効果は見込めない”
“高齢者のスタッフになじまない”
などという思い込みが、これまで、あだとなっていたわけです。
しかし、その状況は、大きく改善されたのです。
システム化が進んでいない企業ほど、
経営指標には、ウソや間違いが多く潜みます。
様々な立場のスタッフの、よからぬ思惑が入り込むのです。
そのような余地がないよう、システム化を進めてほしいのです。
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