季節の変わり目に注意
みなさん、こんにちわ。ICOグループの内藤です。
7月6日(土)に関東甲信越地方で梅雨明け宣言がありました。
このニュースを聞いたとき、「本当?」と思わずびっくりしてしまいました。
私には、7月20日くらい、ちょうど学校の夏休みが始まるころに梅雨は明けるものだという感覚があったからです。
7月6日・7日の週末は各地で猛暑となり、エアコンや扇風機、ビール、かき氷、アイスクリーム、清涼飲料水などが飛ぶように売れたようです。
当然、これらの商品を取り扱っている企業にとってはうれしい悲鳴でしょうが、一方でこれが本当の悲鳴になってしまうのではないかと憂慮します。
夏の時期には冷たい飲み物や食べ物、冷房装置、暑さをしのぐ衣料品やグッズ、熱中症や脱水症を防止するための健康食品や医薬品など、この時期にしか売れない商品が市場にあふれます。
当然、顧客ニーズがあるからこそ、そのような商品があり売れるわけですが、このような季節商品は判断を誤るとまったく裏目になってしまう性格を持っているのです。
猛暑となると聞くと、品切れにならないように一斉に仕入を増やし、在庫を積み増します。工場では生産計画を変更し、フル稼働するのです。ついつい調子に乗ってしまいます。
しかし、シーズンも中盤になると売れ行きにも勢いがなくなり、在庫が過大になります。工場では材料があふれ、仕掛品がたまり、製品在庫が倉庫からはみ出るようになります。
シーズン終盤にかけ、値引き販売をするようになり、それでも売れなければ赤字覚悟で投げ売りをするのです。
それでも在庫は減らず、「捨てるのももったいない」と言って、来年まで倉庫で寝かしてしまいます。
次の年にうまく売れればいいのですが、年を越すと新製品が販売され、一年前の商品は見向きもされなかったり、倉庫の中の商品が汚れたり傷ついたり価値がなくなるケースが多いのです。
結局、儲かったと思っていたのに、在庫処理をしてみたらトータルでは赤字だったというケースを何度も見てきました。
売れ残りの損失は原価分あるのです。粗利率が30%の商品は、1つ売れ残れば2つ売った時の粗利額に相当するのです。
その他に運賃や倉庫代、在庫管理のための人件費など、考えているよりも在庫による損失は大きいのです。
季節商品は綿密な販売計画のもとに生産計画、仕入計画のうえで、売切り品として在庫は残さないようにしましょう。
追加仕入はしない、追加生産はしない、欲をかいて在庫をしないことを徹底しましょう。
季節商品の在庫切れを恐れるよりも、在庫による損失を心配しましょう。
今までの経営コンサルティングの現場で、うれしい悲鳴が、恐怖の悲鳴となる光景を何度も見てきているのです。
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