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2013年8月12日 (月)

林原の破綻劇を読む

古山喜章です。

2011年に会社更生法を申請し、
“えっ、あの林原が????”
と世間を騒がせたのは、まだ記憶に新しいところです。

その林原グループ破綻の顛末を、
元専務の林原靖氏が書いた書籍、
「破綻」を読みました。
20130810_11092502

林原靖氏は、元社長・林原健氏の弟です。
もちろん、二人とも、
グループから追放されてしまっています。

会社更生法に追い込んだ、
銀行や弁護士事務所などが、実名で登場します。
かなり生々しいです。

“融資を継続したいなら、これに印鑑を押せ!”
という、
銀行による脅しまがいの行動も明らかにされます。
また、
ADR(裁判外紛争)が、まるで茶番のごとく、
銀行や弁護士の思うように進められてゆく、
という様子もよくわかります。

まあ、書き手からすれば、
被害者意識が強くなるのはわかります。

しかし結局は、
過剰な借入金があるが故、
銀行や弁護士の思うようにされてしまった。
ということにつきます。

さらにその元をたどれば、
際限の無い過剰な研究開発投資であり、
経営者の財務オンチであり、
銀行のすすめるがまま、借入をして不動産を買う、
銀行サマサマ病であり、
それらが、真の原因であるように思えるのです。

研究開発志向型から変わることができなかった、
経営者の悲しき末路に見えるのです。
言ってしまえば、世間知らず、だったのです。

本の中で、“あのときこうだったら”
という文言がよくでてきます。
しかし、経営に、
“if”“もしも、~だったら”は、ないのです。
その瞬間の判断がすべてです。

弁済率93%も、
1年2ケ月でのスピード解決も、
異例のことかもしれません。
本業の強みは、今も変わらないのでしょう。
しかし、
追い出されてしまっては、元も子もないのです。
脇の甘い経営の怖さを、思い知らされる一冊です。

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