労務コスト上昇にどう備えるか ②
古山喜章です。
“労務コストはまだまだ上がる!”
誰もがそう思っています。
なのに、改善しない企業が多いのも、事実です。
それは、
川沿いに家があるのに、増水への備えをしない、
ようなものです。
②パートの社会保険加入への対策 その1
法定福利費の中でも負担の大きい、
社会保険料は、経営者にとって、頭の痛い問題です。
“ほんとは加入させないとダメなんだけど・・・”
と言いながら、パートの対象者全員が加入できていない、
という中小企業は、まだまだ多いのです。
まず知っておきたいのは、現状の加入条件です。
・「労働時間および労働日数が、社員の概ね3/4以上の者」
となっています。
“および”というのがポイントです。
労働時間と労働日数の両方が、概ね3/4以上、ということです。
なので、
①労働時間が3/4以上でも、労働日数が3/4未満なら、摘要除外
②労働日数が3/4以上でも、労働時間が3/4未満なら、摘要除外
となります。
“概ね”という言葉もあいまいです。
しかし、あいまいな言葉は、
当局の都合のよいように解釈される、
と思っておいたほうが、得策です。
言い合いになれば、負けるのですから。
で、ここで、現状加入条件への対策です。
社員が1日8時間、週5日の勤務だとして、
①1日8時間労働で週3日勤務なら、適用除外です。
②週5日勤務でも、1日5時間30分労働なら、摘要除外です。
この①②に該当する労働契約に、すればよいのです。
案外、労働日数という条件が、忘れられがちです。
加入条件の文章では、労働時間が先に書かれています。
だから、まずそこに、目も頭もいきます。(したたかな文章です)
“彼はフルタイム(8時間)だから、加入させないと・・・”
という具合に、思いがちなのです。
もっと言えば、こんな方法もあります。
会社がふたつあるならば、
A社で、1日8時間労働の、週3日勤務
B社で、1日8時間労働の、週2日勤務
とすれば、両社とも、社会保険適用除外ですね。
しかし、2社合計で、週5日の40時間労働です。
2社での勤務になれば、他にも組み合わせが考えられます。
とまあ、よくよく考えれば、対策はあるものです。
しかし・・・、当局も必死なのです。
社会保障費の財源確保の動きから、
現状の加入条件が、見直されました。
平成28年10月からの、施行です。
それについても、今から備えが必要なのです。
(つづく・・・)
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