M&Aの現場から③
福岡雄吉郎です。
M&Aで会社を売却する場合、
その企業価値は、簡単な方法だと、
純資産(①)+税引後利益(②)×5年分
と計算されます。
買収(買う)側がチェックするポイントは、
前回説明しました。
(前回の記事はこちら)
そして、なかでも、
彼らがとても重視する項目が2つあります。
それは、(1)売掛金と(2)在庫の管理、なのです。
(1)不良売掛金があるか?のほか、
・どんな帳票を使っているか?
・未回収を防ぐための仕組みは?
・未回収が発生した際の対応は?
・営業マンの姿勢は?
・経理、請求事務の能力は?
など、とても細かく質問されます。
(2)不良在庫があるか?のほか、
・どんな在庫管理システムを使っているか?
・棚卸を行うペースは?誤差は出るか?
・不良在庫はどう把握しているか?
など、こちらもたくさん質問されます。
そして、在庫を保管している倉庫を、
実際に、視察に来ます。
買収(買う)側は、決算書から計算する企業価値のほか、
買収後の姿も、当然、イメージします。
その際、これらを管理する仕組みがないと、
その仕組みづくり、システム導入のために、
大変たくさんのコストがかかることになります。
決算書からは見えない部分ですので、
特に、気にするところです。
ここの良否が、最終的な買収価格にも
影響を与えるのです。
売る側からすると、M&Aは、
突然、持ちかけられる場合が、多いです。
将来のことを考えて、
売掛金と在庫の管理は、
特に厳しくやっておいてほしいです。
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