公募債と少人数私募債の違い ③
③銀行引受私募債の手数料は、いかほどか?
公募債と私募債は、違います。
おおやけに募るか、私的に募るか、の違いです。
また、私募債の中でも、
銀行引受私募債と少人数私募債は異なる、
ということを、前回申し上げました。
銀行引受私募債は、銀行に払う手数料が必要です。
少人数私募債は、手数料は不要です。
では、
銀行に払う手数料とは、いかほどでしょうか?
こちらも、経済産業省のオープンデータに、
ふたつのパターンでの、
概算金額が掲載されていました。
A:2億円を償還期間3年
B:2億円を償還期間5年
というパターンで、手数料の参考数字が掲載されています。
この表です。
いかがでしょうか?
赤い枠線で囲んだ部分が手数料の金額です。
上の段が、スタート時にかかる費用です。
下の段が、毎年かかる、ランニング費用です。
A:2億円3年で、当初費用は780万円
B:2億円5年で、当初費用は1,220万円
で、期中費用が別途、毎年かかるのです。
いい値段ですね。
当初費用は、4つの項目にわかれていますが、
全部、引受先の銀行1社に支払うものです。
そこからどこかに流れるわけではありません。
名目をわけて、たくさん徴収しているわけです。
銀行は、
“私募債をやりませんか?”
とは言うものの、
“手数料がこれだけかかります”
ということを、最初には言いません。
“毎月の返済がないので、資金繰りがラクですよ”
“手数料は多少いりますが、毎月の返済が小さいと、
キャッシュフローに余裕ができますよ”
と誘われます。
“じゃあお願いします”となった後に、
“手数料は〇〇〇万円ほどですから”
と言われ、
そのままOKする、というパターンが多いようです。
私募債の誘いがあるなら、
“手数料はいくらかかりますか?”
“その手数料の金額ではできませんねぇ・・・
どこまで下がります???”
と、交渉したって構わないのです。
手数料の料率は、法で定められたものではありません。
銀行引受私募債をするにしても、
相手の条件を鵜呑みにしない姿勢を、
持っていて欲しいのです。
(古山喜章)
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