公募債と少人数私募債の違い ①
①引受人に、金融のプロがいてはいけない
少人数私募債に関して、
次のような質問を時々いただきます。
“証券会社がなかなか引き受けてくれないのですが、
どのように対処すればよいのでしょうか?”
で、こうお答えします。
“それは公募債で、少人数私募債ではないですね。
違いをご存じですか?”
質問される方はみな、“えっ????”となります。
公募債とは、字のごとく、
公けに、債権者を募ります。
なので、募る範囲が広いです。
要は、誰が応募しても構いません。
その人を知っているか、知らないか、関係ないのです。
新聞でよくみかける、
「〇〇が、社債(CP)△△△億を発行」
というのも、公募債ですね。
少人数私募債は、こちらも字のごとく、
少人数の私的ななかで、債権者を募ります。
こちらは、募る範囲が狭いです。
家族、取引先、知人、などなど・・・。
要は、身内です。
全然知らない人は、いません。
少人数私募債には、いくつかの条件があります。
そのひとつが、
「引受人に、金融のプロがいないこと」
身内・親戚であっても、証券会社や金融機関の方は、
少人数私募債に応募できないのです。
ここで、冒頭の質問に戻ります。
“証券会社が引き受けてくれない”
という時点で、私募債ではありません。
なぜなら、証券会社は金融のプロ、だからです。
それは、公募債なのです。
すると、こう質問されたことがあります。
“個人でデイトレーダーのように、
株をバンバン売り買いしている人はどうなるんですか?
そういう人は、金融のプロですか??”
“どこまでいっても個人だったら、金融のプロじゃないでしょう。
でもそもそも、
そんなややこしい人に、私募債を売らないで下さい!”
と、お答えしました。
特に、経営者の周辺におられる、
税理士や会計士の先生が、勘違いされている、
という場合がよくあります。
そうなると、
その影響を受けて、経営者も勘違いしがちです。
“それって、公募債じゃないですか???”
という一言くらい、質問してみてもいいのです。
社債といっても、いろいろあるのですから。
(古山喜章)
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