月次決算が速い会社、遅い会社 ③
③棚卸が確定しないんです
月次決算の遅い会社に、
ありがちな理由のひとつです。
〝棚卸が確定しないんで、原価が確定しないんです〟
などと、言うわけです。
〝いつ頃に確定するの?〟と尋ねると、
〝10日くらいですかねぇ・・・。〟
などと言う場合があります。
〝え~っ!月末在庫確定まで10日かかるって?〟
月末すぐに確定する会社にとったら、
不可思議きわまりないことだと思います。
〝アイテムが多いので計算に時間がかかります・・・〟
〝各営業所の棚卸表を合算しないといけないので・・・〟
〝在庫から月末出荷伝票分をマイナスしますので・・・〟
〝在庫に翌月伝票分をプラスしないといけないので・・・〟
〝業者の預かり在庫がなかなか出てこないんで・・・〟
などなど、まあ、なんだかんだと言われます。
しかし、いずれにしても、
その状況を放置しているからそうなるわけです。
アイテムが多いなら、自動計算できるようにシステム化する。
棚卸作業をしやすいようにシステム化する。
棚卸しを月末一度にせず、分散させる。
各営業所の棚卸しをデータ化して即時集計させる。
月末前後の出荷分を自動反映させれるような、システムを組む。
預かり在庫のある業者とデータ連動させる。
または、期限を切って取り急ぎファックスやメールで連絡させる。
などなど・・・。
方法は、いくらだってあります。
特に、アナログ企業に、
時代錯誤な棚卸業務が見られますね。
管理部門の人材の弱さに、
現場に入っていこうとしない、
ということがあります。
また、現場に言われると、簡単に引き下がる、
ということがあります。
それでは管理業務の改善は進みません。
特に、現場が関わる棚卸業務は、そうなのです。
月次決算を速くする意義を認識し、
管理部門の人材には、もっと現場に入り、
現場に意見を言えるようになってほしいのです。
そのためには、
管理部門人材は、現状のやり方に甘んじず、
新たな方法はないか、
世の中の企業はどうやっているのか、
ということに、敏感であってほしいのです。
(古山喜章)
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