「42」に見る、招かれざる者の生き方
黒人初のメジャー・リーガーとして活躍した、
ジャッキー・ロビンソンの実話を描いた、
「42 ~世界を変えた男~」を見ました。
「42」とは、ジャッキー・ロビンソンの背番号です。
唯一、アメリカの全ての球団で永久欠番となっています。
これだけでも、この選手の偉大さがわかります。
描かれるのは、
1945年から1950年代のアメリカです。
まだまだ、黒人差別が激しかった時代です。
単に、野球をビジネスとして拡大したい、
という思いのオーナーが、
黒人選手の導入を思いつきます。
そして選ばれたのが、ジャッキー・ロビンソンです。
チームの監督、選手、観客、宿泊先のホテル、移動の飛行機、
すべてにおいて、そこに携わる人たちから差別的な扱いを受けます。
メジャーでの黒人選手は、まだまだ、招かれざる者、だったのです。
招き入れたオーナーは、黒人のジャッキーに、
二つの事を守れ!、と言います。
①“何を言われようと、紳士であれ!戦わない勇気を持て!”
②“誰よりも勝るプレーで、実績を上げろ!”
ジャッキーは、つらい思いでその二つを、守り抜きます。
すると、白人といえども、
単に野球が好き、人種なんてどうでもよい、という人がいます。
そういう人たちの、見方、接し方がだんだん変わってくるのです。
今現在、黒人選手にそのような偏見を持つ人は、いません。
その先駆者となったのが、ジャッキー・ロビンソンなのです。
そうです、ここには、招かれざる者の生き方が描かれています。
企業においても、若き後継者が会社に入ったときに、
“招かれざる者”としての扱いを受けることがあります。
“現場を知らない者に何がわかるか!”
“急に来て、偉そうに言いやがって!”
“俺らの方が長くいるのに、なんで急にあのポジションなんだ!”
そう思われても仕方がないのです。
そのような局面に、
“どうすればいいんだろう?”と、悩む方も多くおられます。
そんなとき、できることは、まさに、上の二つのことなのです。
まわりの理不尽な声に刃向かっても、事は前に進みません。
批判的な言葉・対応を紳士に受けかわし、
誰よりも努力して、成果を出すこと、
これしかないのです。
信頼を得るための、努力をし続けることなのです。
“招かれざる者”の立場にいる人たちに、
見て欲しい一作ですね。
(古山喜章)
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