「社長!御社の税務調査 ココが狙われます!」
今年、割と多く出版された本のジャンルに、
“税務調査もの”というのがあります。
これもその一冊です。
「社長!御社の税務調査 ココが狙われます!」
(著:見田村元宣 出版:すばる舎リンケージ)
この手の本は、どこからどこまでがタイトルなのか?
ちょっと悩みます。
いくつかあるこの手の本でも、珍しいのは、
重加算税の回避、ということに重点を絞っている、
ということです。
そして、
回避された事例や裁判の争点、
反論の抗弁書、などが記載されています。
加えて、比較的読みやすい文章で書かれています。
そこでは、著書の経験から、
重加算税が課される場合において、
“その95%は、顧問税理士が間違っているだけです”
と、書かれています。
多くの税理士の場合、
調査官から重加算税を指摘されると、
「わかりました。重加算税ですね。顧問先の社長に話しておきます」
となり、申し受けた社長は、
「先生がそういうなら、仕方がないですね」
となって、すんなり否認を受入れてしまうわけです。
そもそも、
重加算税とは、隠ぺいや仮装があった場合に発生します。
単なる間違いやミスは、重加算税の対象にならないのです。
重加算税というものに対する知識と対策を得るには、
一読の価値があります。
特に、否認に対する税務訴訟の結果、
その否認は退けられた、
という判例が多く書かれています。
否認はくつがえらなかった、という事例もあります。
勉強になります。
これらの事例は、もしも実際に同様のことがあれば、
活用することができます。
また、
役員賞与や役員退職金などの人件費、
貸倒損失、修繕費、交際費などの経費、
などについても、
判例と争点が、わかりやすく書かれています。
税務調査を控えていなくても、
経営者としては、知っておきたい知識が
たくさん書かれた一冊ですね。
(古山喜章)
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