企業と銀行、ニーズのギャップ
中小企業が銀行に求めるサービス・取組みのニーズと、
銀行が考えている、中小企業のニーズには、
大きなギャップがあります。
つまり、銀行は、
“中小企業はこういうサービス・取組みを求めているだろう。”
と考えるわけですが、そこに大きな誤りがあるのです。
東京商工会議所が、H24年に行った、
「中小企業金融に関するアンケート」
というものがあります。
(くわしくはこちらから。)
その16ページに、
「金融機関に求められるサービス・取組みに関するアンケート結果」
が掲載されています。
企業側と金融機関の、両方にアンケートしています。
その結果が、こちらです。
真ん中に、アンケート項目があります。
赤丸で囲んであるのが、ギャップの大きい項目です。
上の表を見ると、企業が求めているのに、
銀行はあまりニーズを感じていない、
という項目が二つあります。
それは、
「金利の優遇」と、「担保・保証条件の対応」、
という項目です。
借りる側として当然なのですが、
銀行はそのことを理解していません。
逆に、企業は求めていないのに、
銀行はニーズが高いと勘違いしている項目が3つあります。
「事業・商品内容の理解」「経営アドバイス」「役立つ情報」
の、3つですね。
つまり、企業側は、アドバイスや情報など、
銀行にはさほど期待していない、というわけです。
当然です。
企業にすれば、銀行も仕入業者のひとつです。
良い条件で仕入れたいだけです。
ならば、
金利や担保・保証条件への、
ニーズが高くてあたりまえです。
銀行側の回答を見ると、
結局、自分達の都合の良いようにしたい、
という心理が見え見えです。
金利や条件よりも、
商品説明、経営アドバイス、情報、と称して売り込みをかけ、
融資に引きずり込む。
もはや、そのような思考回路ができあがっております、
と言わんばかりの回答結果ですね。
だから、
“銀行の言うことは信用できない”
となるのです。
銀行交渉に当たる際は、
先方の思考回路を理解したうえで、
交渉を進めてほしいのです。
(古山喜章)
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