経理が気づかない埋蔵金①
複数の会社の、内部監査をする機会が、
立て続けにありました。
いずれも、売上は100億円を超え、
財務体質もしっかりした、優良会社です。
限られた時間での、全般的なチェックです。
すべて細かくチェックはできませんが、
監査すると、必ずといってよいほど、
見つかる問題点があります。
①滞留売掛金、買掛金
売掛金や買掛金は、
売上や仕入と連動して、毎日のように動きます。
残高が動いて、当たり前、なのです。
しかし、監査をすると、
残高が全く動いていない売掛金、買掛金が、
必ず見つかります。
監査では、具体的に、以下の作業をします。
(1)得意先(仕入先)別の残高が記載された、
直近の売掛金(買掛金)の勘定内訳書を入手する。
(2)半年前、あるいは、1年前の勘定内訳書も入手しておく
(3)それらを並べ、残高がいくら動いているか、計算する
(4)残高の動きが「0」の相手先を、抽出し、調査する。
動きが「0」の相手先を調査すると、
・実は回収(支払)できていない
・回収(支払)済なのに、帳簿で適切に処理していない
ということが、分かります。
ある会社で監査を行ったら、
仕入先A社に対する買掛金7百万円が、
何年も動いてないことが分かりました。
調べると、A社に対する支払は済んでいました。
そのため、買掛金は、帳簿上で消さなければなりません。
A社では、この買掛金を消すことで、
利益が増えることになるのです。
日常業務や決算業務をミスなくやっていても、
「残高に動きのないものをチェックする」
という視点は、ほとんどの会社で抜けています。
思い当たる会社は、ぜひ、
こうしたチェックをやっていただきたいです。
(福岡雄吉郎)
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