経理が気づかない埋蔵金③
複数の会社の、内部監査をする機会が、
立て続けにありました。
財務体質が良く、企業体力も高い会社ですが、
監査すると、必ずといってよいほど、
見つかる問題点があります。
③差入敷金、保証金がない
規模が大きくなると、
・従業員に借上社宅を提供する
・駐在所、営業所、事業所、支店をつくる
という会社は多いです。
たいてい、契約のときに、
貸主に対して敷金、保証金を差入れます。
いったん差し入れた敷金、保証金は、
ずっとB/Sに計上されたままです。
で、次の2点を監査します。
(1)契約書や預かり証とチェックする
(2)支払賃料(家賃)とチェックする
(1)敷金、保証金の残高は、
契約書や預かり証(貸主から)に
書いてあります。
で、チェックしてみると、
契約書や預かり証がない、ことがあります。
もしくは、最新版になっていない。
単なる保管ミスの場合もありますが、
実は、すでに解約して保証金を返還してもらっていた、
ということがありました。
(2)現在も敷金、保証金があるならば、
当然、賃料も発生しているはずです。なので、
敷金、保証金の差入先と、
家賃、賃料の支払先とを、
ぶつけてみます。
すると、敷金、保証金があるのに、
家賃や賃料は発生していないものがありました。
この場合も、過去に解約した敷金、保証金が
B/Sに残り続けていたのです。
(1)(2)の場合は、ともに
この敷金、保証金はB/Sから消すことになるのです。
これを損金処理すれば、その分税金が減ります。
自社の敷金、保証金は、すべて問題ないでしょうか?
(福岡雄吉郎)
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