ダメな税理士が作る決算書⑨
税理士の優劣を判断する一つの方法は、
損益計算書(PL)をもらったら、
特別損失をみることです。
費目別に考えてきた前回と、視点を変えてみます。
首都圏にあるソフトウエア開発業では、
お客様から仕事をもらうために、
競合他社とプレゼンテーションで競争し、
受注獲得を目指します。
最近は、新規参入も多く、
競争に勝つのは、簡単ではありません。
10回のコンペで、2~3回とれれば、御の字です。
プレゼンには、提案先にあうように、
企画、設計、積算など、
多くの手間がかかります。
そのコストも、ばかになりません。
コンペで勝った場合は、
それらは、報われることとなり、
受注に、売上につながります。
しかし、コンペで勝てなかった場合は、
その努力は、水の泡となり、
売上には、何も結びつかないのです。
ここで、です。
優秀な税理士であれば、
この売上に結びつかない労務費、経費を
「特別損失」として落とすことを考えます。
受注活動に関する労務費、経費は、
何も考えずに処理すれば、
「売上原価」になります。
その分、営業利益が減るのです。
ソフトウエア開発以外にも、
建設業など、受注型の企業では、
失注分のコストをどう処理するか、
一工夫することを、考えていただきたいです。
税理士は、こうした工夫を、
まず、考え付きません。
こちらから、
「特別損失」で出せるものはないか?
を検討させることが大切です。
これまで書いてきたことに、
頑として首を縦に振らない税理士は、
やはり、「ダメな税理士」と言わざるをえません。
(福岡雄吉郎)
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