経理が気づかない埋蔵金④
複数の会社の、内部監査をする機会が、
立て続けにありました。
財務体質が良く、企業体力も高い会社ですが、
監査すると、必ずといってよいほど、
見つかる問題点があります。
④保証金を預かったまま
前回は、自分が不動産を借りるときの話でした。
(前回の記事はこちらです)
今回は、自分が不動産を貸すときの話です。
この話も、規模が大きい企業だと、よくあります。
不動産を貸すと、賃料数カ月分を保証金として預かります。
これは、B/Sで「預かり保証金」として計上されます。
で、この監査の方法としては、
前回の逆のことをします。
(1)契約書や預かり証(控)とチェックする
(2)受取賃料(家賃)とチェックする
現在もテナントと契約中なら、当然、
(1)契約書や預かり証はあるはずだし、
(2)P/Lで受取賃料が発生しているはずです。
ところが、ある会社でこれを調べると、
「預かり保証金」は、残っているのに(B/S)、
「受取賃料」が計上されていない(P/L)
ということがありました。
調べると、契約は過去に解約していたのに、
保証金はそのまま、残っていたのです。
で、当然、B/Sにのっている預かり保証金は、
消さなければいけません。
預かり保証金は、負債ですので、
これを消すと利益が増えるため、
一種の埋蔵金と言えます。
また、社内ルールでは、不動産を貸すときは、
保証金をもらうことになっています。
ところが、チェックすると、
受取賃料は発生しているのに、
保証金は預かっていなかった、
という契約も複数見つかりました。
経理部もずっと気づかないままでした。
不動産の敷金、保証金がたくさんある会社は、
年に1度は、こうしたチェックをされてはいかがでしょうか?
(福岡雄吉郎)
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